火星ミッション候補の名称が決定
【2012年3月5日 NASA】
火星深部を探査する提案プロジェクトの名称が「インサイト」に決定した。太陽系探査計画の3つの候補の1つとして挙げられており、今後どれを実施するかが検討される。
従来の「GEMS(地球物理監査ステーション)」から新名称となった「インサイト(InSight)」は、火星の深部を調べ、地球型惑星の形成と進化の知見につなげるべく提案された「ディスカバリー計画」(注)の新ミッション候補だ。「地震調査、測地学および熱移動による内部探査(Interior Exploration using Seismic Investigations, Geodesy and Heat Transport)」の略語からとられている。
「我々は『インサイト』という名前通り、火星の中を覗いてその構造を突き止めようとしています。測地学の機器を使って、火星の深部まで見通し、火星の地殻がどれだけ深いか、コアの大きさはどれくらいかといったことを調べます」(NASAのBruce Banerdts氏)。
「インサイト」は「ディスカバリー計画」の候補の1つとして、他の2つのミッションと競合している。3月19日には3候補がそれぞれの計画構想をNASAに提出し、その審議を問う。「インサイト」は計画実施にこぎつけられるだろうか。
注:「ディスカバリー計画」 NASAによる一連の太陽系探査ミッション計画。莫大な費用で多くの機器を積む大がかりなミッションとは反対に、低コストで高い成果を挙げることを指向している。主な例として、彗星探査ミッション「ディープ・インパクト」や「スターダスト」などが挙げられる。