ステライメージ7・天体画像処理コンテスト

「部門賞」「星ナビ賞」発表
全作品をワークフロー付きで公開

2013年夏、ステライメージ7を使った天体画像処理コンテストを開催しました。「散光星雲」「銀河」「彗星」の3部門で、素材となる元画像を提供し、画像処理の工程を記録できる「ワークフロー」機能を使った作品作りにチャレンジしていただきました。応募作品はウェブで公開し、ユーザーからの審査投票によって「部門賞」を選出しました。

ここに「部門賞」と、星ナビ編集部による「星ナビ賞」を発表します

※各画像をクリックすると拡大表示します(容量が大きいので、表示に時間がかかることがあります)。

各部門のページには、すべての応募作を掲載しています。さらに、元画像とワークフローファイルも公開しているので、画像処理を行ってみることもできます。体験版でも利用できますので、ぜひお試しください。

散光星雲部門

部門賞:無我宇宙さん

散光星雲部門 部門賞受賞作

受賞コメント:

ふだん焦点距離280mm〜3800mmの各種望遠鏡を使って広く天体写真を撮っています。今回のコンテストが始まる前に、受賞エリアであるアンタレス付近を同じようフレームで撮って画像処理にさんざん苦労して仕上げたので、私の画像処理の腕試しと思って応募しました。

このエリアは色彩が豊富なので見栄えを良くするためついつい過剰処理をしがちです。不自然さが出ないように最小限の画像処理にしたつもりです。「オートストレッチ機能」を使うとカラーバランスの補正が簡単になり、ベールがかかったような画像がクリアになるのは発見でした。

星ナビ賞:としさん

散光星雲部門 星ナビ賞受賞作

受賞コメント:

このたびは「星ナビ」賞をいただき、まことにありがとうございます。今年2月にポタ赤を購入し星景を撮り始め、「ステライメージ」や反射望遠鏡等を買い揃えていた際に本コンテストを知り、使い方の勉強がてら身の程知らずの応募をしました。

画像処理では、鮮やかな色など素材をなかなか活かせず苦労しました。いつもは自宅庭や近くの光害の少ない所で撮影をしていますが、オートガイド等試行段階です。いつかは「星ナビ」に載せていただけるような写真が撮れるように精進します。

銀河部門

部門賞:宇都正明さん

銀河部門 部門賞受賞作

受賞コメント:

このたびは賞をいただき、ありがとうざいます。当初、モノクロ画像を作成し、LRGB合成で……と考えたのですが、ワークフローで行う場合、画像の複製等ができず少々残念でした。せめてLRGB合成で、モノクロL画像とカラー画像を別々に処理してLRGB合成行うことができればさらに美しい写真に仕上がるのですが……。

妥当性の確認やプロセスの共有の点でワークフローでのコンテストはとても有意義だったと思いますが、「ステライメージ」の持つ機能をフルに活かしきれない点がやや残念に感じました。

星ナビ賞:北の星見台さん

銀河部門 星ナビ賞受賞作

受賞コメント:

本格的に天体写真を始めて6年目、最初は機材の運用をはじめとくに画像処理は何もわからずとても苦労しました。それでもあきらめず、ネットでの諸兄方々の作品を参考にがんばりました。ふだんの活動は、自宅敷地内に作ったスライドルーフ付きの観測小屋から系外銀河や散光星雲等を撮影して楽しんでいます。

今回のM33の処理では、銀河中心の飽和を抑えることと、銀河外縁部の淡い部分を引き出しなおかつ背景が荒れるのを防ぐことにとくに気を使いました。

彗星部門

部門賞:かんとさん

彗星部門 部門賞受賞作

受賞コメント:

投票していただいた皆さま、ありがとうございます。まさかの最多票で私自身驚いています。画像処理していて一方良ければ他方悪しで、あまり処理せずソフトな仕上がりの画像を応募しました。画像処理は回数を重ねるほど新しい発見があり、試行錯誤しながら楽しんでいます。

中国で皆既日食を見てからの天文趣味復活で5年目。若い頃は写真を撮っても現像プリントができませんでしたが、今はデジタルのおかげで星雲を中心に星野惑星などを撮影しに長野南部へ出没しています。

星ナビ賞:夜行虫さん

彗星部門 星ナビ賞受賞作

受賞コメント:

このたびは彗星部門で「星ナビ」賞を拝受致しましたことたいへん嬉しく思います。最近私は彗星にウェイトを置いて撮影していますが、画像処理はまったくの自己流です。ですので、今回受賞できたことで自分のやり方に少し自信を付けることができました。

今回の画像処理では、テイルを強調する際にノイズを強調してしまわないよう注意し、核については彗星の移動による影響が目立たないよう、自然な感じに見えるように調整してみました。私は「ステライメージ3」からのユーザーですが、今後も末永く付き合っていきたいと思います。

『星ナビ』2013年11月号(10月4日発売)でも受賞作を掲載しています。