ハートレー彗星(103P)
約6.5年周期で太陽系を公転しているハートレー彗星(103P)が、2010年10月ごろに4等まで明るくなって見ごろになると予想されています。日本からは一晩中観測でき、好条件で楽しめそうです。
ハートレー彗星の見つけ方
ハートレー彗星は2010年10月から11月にかけて、ほぼ一晩中観察することができます。
夜10時と明け方3時の彗星の位置を星図に表示しました。夜10時には、10月中旬ごろまでは北東の空にあることがわかります。また明け方3時の位置は時期によって異なりますが、空の高いところまで昇っていることがわかるでしょう。
ハートレー彗星は、秋から冬の天の川を南下するように移動していきますので、明るい星団や星々とのランデブーも楽しみです。ハイライトは10月8日前後、ペルセウス座の二重星団との競演です。
明るさは、10月上旬には6等前後ですが、彗星が地球と太陽の両方に接近する10月下旬ごろに4等台半ばまで明るくなると予想されています。一方、10月8日が新月、23日が満月なので、彗星そのものの明るさよりも月明かりの影響の大きさを考慮すると、10月上旬がもっとも観察に適していると言えそうです。また、彗星はやや暗くなっていますが、11月6日の新月のころも見ごろと言えそうです。
- 詳しい場所や見え方は「ステラナビゲータ」で確認しよう
- 「ステラナビゲータ」製品情報ページ
- iPhone/iPod touch用天体アプリ「iStellar」でも、ハートレー彗星を表示できます
- 「iStellar」製品情報ページ
iPad用には「iStellar HD」 - 「星ナビ」2010年11月号で、より詳細な星図や見どころを解説
- 「星ナビ」2010年11月号 情報ページ
観察、撮影してみよう
見え方がわかったら、実際に観察してみましょう。彗星が予想どおりに明るくなれば肉眼でも見えるかもしれませんが、広がりのある天体は案外見えにくいので、双眼鏡を使うことをおすすめします。双眼鏡を使うと肉眼よりも暗い天体まで見えるので、ボンヤリと広がった彗星も見つけやすくなります。また、天体望遠鏡よりも視野(見える範囲)が広いので、目印になる明るい星から彗星をたどりやすくなります。
双眼鏡で観察する際には、手ブレを防止するために、三脚に取り付けるとよいでしょう。
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双眼鏡や肉眼で観察できたら、彗星の撮影にもチャレンジしてみましょう。標準レンズで撮影すれば、プレアデス星団やばら星雲などと同一の画角内に収めることもできます。星図や位置推算表を参考に、撮影の計画を立ててみてください。
また、彗星の動きに合わせて画像を撮影し、連続撮影した画像を「メトカーフコンポジット」で重ね合わせると、彗星の頭や尾のディテールが浮かび上がってきます。挑戦してみたい方は「彗星画像の作例ページ」(2010年6月ごろに見られたマックノート彗星C/2009 R1のページ)をご覧ください。
ハートレー彗星について
ハートレー彗星(103P/Hartley)は、1986年3月にハートレー氏が発見した彗星です。約6.5年周期の楕円軌道を描いて太陽系を公転しており、太陽から遠いときには木星の軌道よりも外側に、近いときには地球の軌道のすぐ近くに位置します。今回は地球と太陽の両方に接近するので、明るくなると期待されています。地球にもっとも接近するのは10月21日、太陽にもっとも接近するのは10月28日(いずれも日本時間)です。