2007年 夏の星空三昧
太陽投影板を使った太陽観測(4)
5 解説
黒点
太陽の表面に見られる黒い斑点。まわりが6000度あるのに対して、4500度程度なので暗く見える。真っ黒い暗部と薄暗い半暗部があり、大きな黒点では暗部のまわりに半暗部がついていることが多い。数を数えるときは半暗部は数えない。黒点には寿命があり、数日で消えるものもあれば、数か月も観測されるものもある。大きな黒点ほど寿命が長い傾向がある。
白斑
太陽表面に見られる白い斑点。まわりよりも高温で7000度くらいあるので白く輝いて見える。太陽像の中心付近では明るいためによくわからない。太陽像の周辺部は暗くなっているのでそこではよく目立つ。太陽像の右(東)や左(西)の端のところに複数見られることが多い。黒点群のまわりに見られることも多い。
粒状斑
太陽の表面全体にわたって見られる小さな斑点。太陽像の中心部あたりで見やすい。細かい模様なので、気流状態がよくないと見づらい。細かいといっても1粒の直径は1000kmもある。実際には対流によって生じている模様で、次から次に湧き出しているため、1粒の寿命は数分である。
太陽の構造
太陽は直径140万kmのガス球で、中心付近は1千万度あり、水素がヘリウムになる核融合反応が起きている。そのエネルギーが表面まで伝わって、表面から熱や光が放射されている。ふだん私たちが見ている太陽の表面を「光球面」という。その外側には彩層と呼ばれるピンク色の大気の部分があり、これは普段は見えず、皆既日食の際に見られる。
そこから吹き上がるように見える「プロミネンス(紅炎)」や、その外側にひろがる「コロナ」も皆既日食の時に見ることができる。