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【特集】2010年12月21日 皆既月食

12月21日の宵に、月全体が地球の影に隠れる「皆既月食」が見られます。
月の高度は低く、西日本では皆既月食の状態で地平線から昇ります。

月食はなぜ見える

月食は太陽・地球・月が一直線に並ぶ満月の際、地球が月に対して太陽の光をさえぎる場合に起こります。満月はおよそ1か月に1度起こりますが、毎回月食になるわけではなく、また起こっていても地球の反対側では見られないことを考慮すると、月食は1年に2回ほど観察できることになります。2010年は日本で3回も月食が見られるラッキーな年です。

地球の本影と半影

太陽に照らされる地球の後方(太陽の反対側)には、長い影が伸びています。この影には、太陽の光が地球に完全にさえぎられる「本影」と、一部が届く「半影」の2種類があります。地上から見ると、ちょうど太陽から180°反対のところに本影と半影が二重円になって位置しています。

月の一部が本影をかすめれば部分月食、月全体が本影にすっぽりつつまれれば皆既月食となります。2010年1月と6月の月食はいずれも部分月食でした。12月21日には今年初めての皆既月食が起こります。2007年8月以来、3年4ヶ月ぶりの天文現象です。

ちなみに、本影に隠された部分はとても暗くなるのですぐにわかりますが、半影に隠されているだけの部分は、写真撮影をして初めてわかるほどの変化しかしません。

現象の時刻

月食のようす。半影、本影、そして月の位置を示した

月食のようす。半影、本影、そして月の位置を示した。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成、以下同じ)

今回の皆既月食は全国で見られるものの、月食の全経過を観察することはできません。また、中国地方より西側では、月が昇った時点で既に皆既月食となっています。月食中の月は東の低空にとどまっているので観察場所を選ぶ際は注意が必要です。

12月21日は冬至の前日です。東日本では午後5時までには日が沈み、同時に東の空で皆既月食となった月が昇っているのが見られることになります。午後6時には皆既月食が終わって部分食となり、午後7時を過ぎればもう月が欠けているのを肉眼で確認することもできません。

月食の進行時刻
欠け始め15時32.3分
皆既食の始め16時40.4分
皆既食の最大17時16.9分
皆既食の終わり17時53.6分
部分食の終わり19時01.7分
半影食の終わり20時06.1分
現象 札幌仙台東京京都福岡那覇
月の出 15時54分16時11分16時25分16時43分17時10分17時39分
日没 16時04分16時21分16時32分16時50分17時15分17時43分
薄明終了 17時45分17時55分18時03分18時20分18時43分19時05分

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各地からの見え方

東京における月食のようす

東京から見た、15分おきの月の位置。クリックで拡大

日本各地で月が見える位置を、主な現象の時刻とともに示した図です。

観察と撮影

今回の皆既月食は低空で起きるのが特徴なので、なるべく東の空が開けている場所で観察したいところです。会社や学校からの帰りに見ようとした場合、意外と建物がじゃまになりやすいので気をつけましょう。

「星空ナビ」で皆既月食を再現

「天文現象」リストから選んで再現

月食が見える方向の見当をつけるには、ニンテンドーDSで星空を再現できる「星空ナビ」が便利です。天文現象の一覧から選択するだけで月食を再現することができて、観測する場所を設定すれば月が空のどの位置にあるのかもわかります。

じっくり楽しみたい方には双眼鏡がおすすめです。肉眼では確認できない、微妙な色の変化も見ることができます。

月食のようすを写真に撮るのもおすすめです。肉眼ではただ暗くなっただけに見えた部分もほんのりと赤く輝いていることがわかり、肉眼ではわからない半影による食も、写真撮影なら違いが見えます。

撮影に使うのは、一般的なコンパクトデジカメでもじゅうぶんです。カメラを三脚で固定して、ほとんどのデジカメについている「遠景モード」を使えばピントのあった写真が撮れます。

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