2012年 火星接近
地球のすぐ外側の軌道を回っている太陽系の第4惑星、火星が3月6日に最接近となります。2年2か月ごとの地球との接近も、今回は1億kmを超える小接近です。それでも春の夜にひときわ明るくオレンジ色に輝きます。
2012年 火星の見ごろ
3月 最接近のころ
3月6日の最接近のころ、火星の位置は、しし座のおなかのあたりです。このころの火星の光度はマイナス1.2等と小接近といえどもとても明るく、特徴的なオレンジ色の輝きを放つため、その存在にはすぐに気が付くでしょう。
4月中旬 レグルスに近づく
2月から4月にかけてしし座のおなかあたりを逆行していた火星は、4月中旬に留(逆行が終わり順行に戻るときの止まったように見える位置)となりますが、そのころ、しし座の1等星レグルスに近づきます。火星はマイナス0.4等とまだまだ明るく、青白いレグルスとの色の対比が美しいでしょう。
※火星の動きについて、詳しくは「天文の基礎知識:外惑星の動き」をご参照ください。
8月中旬 土星とスピカに接近
夏になると火星はしし座からおとめ座に移ります。そして、8月中旬には、土星とおとめ座の1等星スピカの間に割って入るように接近します。夕方から夜の早いうちに西南西の空に見えます。火星は1.1等と少々暗くなっていますが、1等星が3つ接近する姿は壮観でしょう。それぞれの星の色にも注意して見てください。21日と22日には月も近づきます。
※土星については特集「土星を見よう(2012年)」もご覧ください。
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2年2か月ごとに地球に接近する理由
火星の公転周期(太陽の周りを1周する期間)は約687日です。火星が太陽の周りを1周する間に地球は約2周します。この公転周期の違いから、2つの惑星は約2年2か月ごとに隣り合わせとなり、距離が近づきます。ただ、火星の歪んだ楕円軌道のために接近する距離がその年により変わります。大接近のときには6000万km、小接近のときには1億kmも離れることになります。
今年は小接近
2003年の火星大接近以来、地球との接近距離は徐々に離れ、今年は最接近時でも1億0078万kmの距離がある小接近となります。次回の接近からは距離も近くなっていき、再び大接近に向かいます。2003年の大接近のときには、火星の視直径は約25秒角にもなりましたが、今回の視直径は最大でも13.9秒角にしかなりません。この火星の模様を観察するためには、口径がなるべく大きく倍率のかけられる天体望遠鏡が必要になります。公開天文台や望遠鏡のあるプラネタリウムで最接近のころに開催される観望会に参加するのもよいでしょう。空の条件がよければ小さいながらもオレンジ色の表面に黒っぽい模様や白く輝く北極冠が見られるかもしれません。
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