土星を見よう(2014年)
2014年、春から夏にかけて土星が見ごろとなります。なんといっても土星はその環が特徴的です。小型の天体望遠鏡でじゅうぶん観察できますので、みんなで楽しみましょう。
土星の見つけ方
2014年の土星はてんびん座に位置します。といってもてんびん座の星は最も明るいものでも3等星なので、空の明るい場所ではよくわからないかもしれません。
土星を見つけるにはもっと明るい星を目じるしにしましょう。青白く輝くおとめ座の1等星スピカと赤く輝くさそり座の1等星アンタレスの間、ややアンタレス寄りにある0等級の黄色っぽい星。これが土星です。
5月11日に土星は衝(太陽−地球−土星がまっすぐ並ぶ位置)となり、真夜中の南の空に高く上ります(東京で高度約40°)。それ以降は徐々に早い時間に昇ってくるようになるため、日没後の空で見やすくなります。6月中旬には夜9時ごろにほぼ真南、7月中旬の同時刻には南西に位置します(西日本からはやや東寄りに見えます)。
5月14日 満月と大接近
5月14日の夜の早いうちには、土星とほぼ満月の月とが大接近して見えます。その間隔は満月2個分ほど。時間とともに少しずつ離れていきますが、まるい月と輝く土星の印象的な光景が見られます。オーストラリアでは、土星が月に隠される土星食が見られます。
8月下旬 火星が接近
8月の下旬には火星が土星に近づいてきます。夕方から夜にかけての早い時間帯、南西の空で並んだようすを見ることができます。8月31日には月も並び、てんびん座の肉眼二重星ズベンエルゲヌビも近くにありますので双眼鏡で楽しみましょう。
9月28日 土星食
9月28日、土星が月齢4の月に隠される土星食がお昼ごろ起こります。白昼の現象なので、観察には望遠鏡が必要です。
土星食が見られなくても、夜になると月と土星がすぐそばに接近したようすが見られます。
→ ステラナビゲータで再現「2014年9月28日 土星食」(ステラナビゲータでシミュレーションする方法を解説しています)
環や衛星を見てみよう
土星の環は天体望遠鏡を使わないと見ることができません。小口径の望遠鏡で十分ですが、倍率は50倍以上、できれば100倍以上の倍率で見ると環が写真のようにはっきりとわかるようになります。公開天文台や望遠鏡のあるプラネタリウムで開催される観望会に参加するのもよいでしょう。この夏ごろまでは土星観望のチャンスです。
土星の環の傾きは約15年周期で変化します。最も傾きが小さかった2009年から、現在は最大となる2017年へ向けて傾きが大きくなっている途中です。2014年の環の傾きは、開きすぎず美しい土星の姿を見せてくれます。空の条件がよければ、環の外側から3分の1くらいのところに「カッシーニの間隙」と呼ばれる隙間が見られるでしょう。
土星の衛星で最も明るい8等級のタイタンも、天体望遠鏡で見ることができます。タイタンは生命が存在するかもしれないといわれている天体。宇宙と生命のロマンを感じながら眺めてみましょう。さらに口径の大きい望遠鏡なら、10等級のレア、テチスといった衛星も見えてきます。衛星の位置は時間とともに変化しますので、このページ下部の「ステラナビゲータ10」で土星を観察するを参考に、見え方を確認しましょう。
土星関連グッズ:望遠鏡やムックなど
土星の場所も環の見え方もわかったら、いよいよ実際に観察してみましょう。自分の天体望遠鏡で好きなときに土星を見てみたいと思ったら、アストロアーツのオンラインショップを覗いてみてください。目的や予算に応じて、さまざまな機種をラインアップしています。
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