ガリレオ衛星の相互現象とは
木星は約12年で太陽の周りを公転しているので、その半分の約6年ごとに、木星の赤道面の真上から太陽が照らします(木星の春分と秋分にあたる)。このころは地球から見ても、木星の赤道面がほぼ真横に見えます。2015年は、その6年に一度の年(木星が秋分を迎える年)にあたります。
ガリレオ衛星は木星の赤道面に沿った軌道上を動いているので、赤道面を真横から見ている今年は、衛星同士が重なって見えたり、衛星の影に他の衛星が入って暗くなったりします。これが「衛星の相互現象」です。
衛星同士が重なる現象は「掩蔽(えんぺい)」、衛星の影に他の衛星が入る現象は「食」と呼ぶ(『星ナビ 2015年3月号』より)
相互現象は、地球からは衛星の明るさの変化として観測できます。条件の良いときに高性能な天体望遠鏡やカメラを使えば、衛星同士の重なりを面積のある天体として撮影することもできるかもしれません。
2月26日の現象の例。0時7分ごろからエウロパの背後にイオが隠れ(エウロパによるイオの掩蔽)、0時51分ごろからエウロパの影にイオが入る(エウロパの影によるイオの食)(『星ナビ 2015年3月号』より)