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土星を見よう(2016年)

2016年の土星は、さそり座の北、へびつかい座の領域にあり、6月から9月ごろまで夜空で見やすくなっています。天体望遠鏡で環を観察してみましょう。

今年は近くに火星が輝いています。色や明るさ、動きを見比べてみましょう。さそり座のアンタレスも近くにあり、8月下旬には3つの星が並びます。

土星を見つけよう

南の空に見える黄白色の星

美しい環があることで有名な土星は、地球の約9倍の大きさ(環を含まない大きさ)を持つ巨大な惑星です。太陽からおよそ14億km離れており(太陽〜地球の約10倍)、30年かけて公転しています。

2016年の土星は「へびつかい座」に位置しており、9月の下旬ごろまで、宵の空に見えます。明るさは約0等級で、黄白色に輝いています。土星の近くには、赤く明るく輝く火星や、同じく赤く光るさそり座のアンタレスが並んでいます。色や明るさの違いを見比べてみましょう。

土星が南中する(真南に来て、地平線からの高度が最も高くなる)のは、東京の場合6月中旬で夜11時ごろ、7月中旬で夜9時ごろ、8月中旬で夕方6時半ごろ(日没前後)です。また、南中から沈むまでは約5時間です。南中時でも高度は35度ほどとあまり高くならないので、空が暗くなったらなるべく早めに観察するとよいでしょう。

2016年9月15日 20時の星図

2016年9月中旬 20時の空(東京)。火星は9月1日から1週間ごとの位置を表示。月の表示は消してある。上旬は21時、下旬は19時ごろに同じような空が見える。クリックで星図拡大(ステラナビゲータで星図作成、以下同)
6月22時7月21時8月20時

土星と月などとの接近

土星・火星・アンタレスの近くに月が接近してくることもあります。今年6月以降に起こる、土星と他の天体との接近現象は以下のとおりです。このうち月との接近は、やや間隔は大きくなりますが前後の日にも見ることができます。アンタレスや火星との接近は、しばらくの期間中見られます。

日付 現象備考
6月〜10月 アンタレスと並ぶ
6月18日 月(月齢13〜14)と接近宵から翌日未明
6月19日 月(月齢14)と並ぶ夕方から深夜
7月16日 月(月齢12)と接近夕方から翌日未明
8月12日 月(月齢10)と接近夕方から深夜
8月中旬〜下旬 火星と接近夕方から宵
最接近25日ごろ
9月8日/9日 月(月齢7/8)と並ぶ夕方から宵
10月6日 月(月齢5)と接近夕方から宵
10月下旬〜11月上旬 金星と接近夕方から宵
最接近10月30日ごろ
11月2日/3日 月(月齢3/4)、金星と並ぶ夕方

星図(11月3日 細い月と金星、土星が並ぶ)

11月3日の夕方、細い月と金星、土星が並ぶ。画像クリックで現象ガイドの解説ページ

モバイルツールでシミュレーション

iOS用の「iステラ」「iステラ HD」やアンドロイド用「スマートステラ」などのモバイルアプリを使うと、土星のある方向、周りの星や星座の名前が簡単にわかります。

他の製品は ›› モバイル製品情報

スマートステラでのシミュレーション

8月24日に土星と火星、アンタレスが並ぶ様子をスマートステラで表示。コンパス連動時には実際の空で見える方向までナビゲーションしてくれる

望遠鏡で環を見よう

土星の環は、板のようになっているわけではなく、無数の氷の粒が集まってできています。ここ数年は地球から見て土星の環が大きく開いた状態になっていて、面がこちら側に向いているので、とくに見やすくなっています。

環の存在は、50倍程度の天体望遠鏡でもわかります。条件が良ければ、「カッシーニの間隙」と呼ばれる環の中の隙間や、8等級の衛星タイタンも見えるかもしれません。高倍率にすると土星が大きく見えますが、像が暗くなったり揺れやすくなったりするので、空の状態や機材にあわせて調整しましょう。

公開天文台や科学館の観望会では大きい天体望遠鏡で土星を見ることができます。ぜひ参加してみましょう。
観望会情報は「パオナビ」でチェック ›› PAO Navi:全国プラネタリウム&公開天文台情報

土星

探査機カッシーニが撮影した土星。今年はこの画像よりもさらに環が開いて上下方向に太く見える。クリックで拡大(photo: NASA/JPL/Space Science Institute)

ステラナビゲータで見え方をシミュレーション

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、土星の見え方やタイタンの位置などを正確にシミュレーションできます。観測や撮影に便利です。環の傾きの変化も調べられます。

ステラナビゲータ活用法はこちら ›› ステラナビゲータで土星をシミュレーション
(2015年の例ですが、2016年にも応用できます)

「ステラナビゲータ」で土星をシミュレーション

天体望遠鏡や双眼鏡の購入はオンラインショップで

アストロアーツのオンラインショップでは、天体望遠鏡や双眼鏡を多数取り扱っています。環や火星との接近の様子を、実際に観察してみましょう。ライトやクッションなどの便利グッズや、太陽系のことが詳しくわかる書籍などもあります。

天体望遠鏡や双眼鏡はアストロアーツオンラインショップで

火星や木星も見よう

土星を観察したら、近くに並んでいる火星も忘れずに眺めてみてください。7月ごろまでは視直径が土星本体と同程度(やや小さめ)で、表面の模様が比較的見やすくなっています。火星の星座中の動きも面白いので、土星、アンタレスとの位置関係の変化も追ってみましょう。

【特集】火星を見よう(2016年5月31日 地球最接近)

また、8月ごろまでは木星も南西の空に見えています。天体望遠鏡で眺めると、縞模様やガリレオ衛星がわかります。火星・木星・土星を夜の見やすい時間帯に全部見られる好機なので、ぜひ観察してみてください。

【特集】木星とガリレオ衛星(2016年)

2016年2月から10月の火星と土星の動き。火星と土星は実際よりも大きく描画している
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