マックノート彗星(C/2009 R1)
2009年9月にマックノート氏が発見したマックノート彗星(C/2009 R1)が、2010年6月ごろに肉眼等級に達して見ごろになると予想されています。明るい星や星団などとのランデブーが楽しみな彗星です。
マックノート彗星の見つけ方
マックノート彗星(C/2009 R1)は、6月の終わりごろまで、明け方の北東の空に見えます。後半になるほど明るくなると予想されていますが、高度も下がってきます。月明かりの影響なども考慮すると、10〜20日ごろがもっとも見やすそうです。
明るさは、6月上旬は6〜5等台、中旬には4等後半〜3等半ば、下旬には3等前半〜2等後半と予想されています。
マックノート彗星は、さまざまな明るい恒星のそばを通り過ぎていきますので、これらの天体を目印にして彗星を見つけてみましょう。14〜15日ごろには、ペルセウス座の2等星ミルファクが目印になります。また、21日ごろには、ぎょしゃ座の1等星カペラに大接近しますので、見つけやすくなるでしょう。
マックノート彗星は6月下旬から7月上旬、夕方の北西の空にも現れますが、明け方よりもさらに高度が低く、夕暮れの薄明かりが残る空の中での観察になるため、見つけるのはかなり難しいでしょう。
なお、7月11日(日本時間では12日早朝)に南太平洋で皆既日食が起こりますが、このときにマックノート彗星が見えるかもしれません。とはいえ、マックノート彗星の明るさは3等級で、太陽からそれほど大きく離れていないので、実際に見るのはたいへん難しそうです。
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観察、撮影してみよう
見え方がわかったら、実際に観察してみましょう。マックノート彗星が予想どおりに明るくなれば、肉眼でも見えそうですが、気をつけておきたいのは「同じ明るさ(等級)でも彗星と恒星では見え方が違う」ということです。
彗星はふつう、広がりを持った、ボンヤリとした姿をしています。すると、たとえば彗星の明るさが3等級だとしても、恒星のような点光源の3等級よりはずっと暗く感じられます。ふだんは肉眼で4等級の星まで見える空でも、それより明るい3等級の彗星が肉眼で見えるとは限りません。
そこで、双眼鏡を使って彗星を観察することをおすすめします。双眼鏡を使うと肉眼よりも暗い天体まで見えるので、ボンヤリと広がった彗星も見つけやすくなります。また、天体望遠鏡よりも視野(見える範囲)が広いので、目印になる明るい星から彗星をたどりやすいのです。
双眼鏡はマックノート彗星探しだけでなく、夏の天の川散歩や、明るい星雲・星団観察など、さまざまなシーンで大活躍してくれます。1つ持っていると、天体観察の楽しみ方が大きく広がるでしょう。なお、観察の際には、手ブレを防止するために、三脚に取り付けるとよいでしょう。
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双眼鏡や肉眼でマックノート彗星が観察できたら、次は彗星の撮影にもチャレンジしてみましょう。マックノート彗星はアンドロメダ座の銀河NGC 891やペルセウス座の散開星団M34と大接近し、800mmの直焦点撮影でもこのランデブーのようすをとらえられそうです。また、標準〜中望遠レンズで撮影すれば、二重星団やプレアデス星団、カリフォルニア星雲などと同一の画角内に収めることもできます。星図や位置推算表を参考に、撮影の計画を立ててみてください。
また、彗星の動きに合わせて画像を撮影し、連続撮影した画像を「メトカーフコンポジット」で重ね合わせると、彗星の頭や尾のディテールが浮かび上がってきます。挑戦してみたい方は、「マックノート彗星画像の作例ページ」をご覧ください。