アイソン彗星とは

太陽系内のルートや特徴など、基本情報を紹介

大彗星の期待

大彗星となったラブジョイ彗星

2011年のラブジョイ彗星(C/2011 W3)は南半球で見事な大彗星となった(撮影:米戸実さん

アイソン彗星が明るくなると予想されている主な理由は、(1)彗星の本体(核)のサイズが大きい(2)太陽のすぐそばを通ることです。

アイソン彗星は、太陽表面からおよそ116万kmのところを通過します。日常の感覚ではとても遠い距離に思えますが、太陽直径が140万kmということを考えれば、「かすめる」といってもいいくらいの近さなのです。

このように、太陽のすぐそばをかすめていく彗星は特に「サングレイザー(sungrazer)」と呼ばれます。太陽に近づくほど、その熱で彗星本体からガスや塵が激しく吹き出し、大きく明るく見えるようになります。数百mサイズのものがほとんどを占めるサングレイザーの中では、数kmのアイソンは異例の大きさなので、ますます期待できるというわけです。

また、アイソン彗星は北半球で観測しやすく、太陽最接近後は地球に近づいてきて、尾を真横から眺める位置関係になるので、タイミングのうえでも好条件です。