詳しい見え方
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2013年8月〜11月前半
アイソン彗星は6月から7月まで、地球から見て太陽の向こう側にあったため観測することができませんでした。
8月には、夜明け前の東の空でだんだん高度を上げて見えるようになってきます。明るさは、まだハイアマチュアの天体望遠鏡で見える程度です。
9月末から10月にかけては、火星がすぐそばに見えます。火星軌道の内側まで入るころで、ちょうど火星も彗星の軌道に近づいているので、見かけだけでなく実際にも近くに位置しています。
10月15日、火星とアイソン彗星は、しし座の1等星レグルスのすぐそばに見えます。明け方の空で高度はじゅうぶん。明るさも増し、小口径の天体望遠鏡でとらえることができるでしょう。多くの天文ファンにとって、この3天体の接近が「アイソン彗星観察事始め」になると予想されます。
2013年11月後半〜12月前半(太陽最接近)
11月に入るとアイソン彗星は急激に明るさを増していきますが、だんだん夜明け直前の低い空でしか見えなくなります。最新情報に注意しながら、双眼鏡や肉眼で見えるかこまめにチェックしてみましょう。
11月18日にはおとめ座の1等星スピカに近づいて、よい目印になります。
11月29日の前後の数日間は、太陽のすぐそばにあるため一時的に見えなくなりますが、ふたたび現われるときがもっとも見ごろです。太陽の熱を受けた彗星がはげしく物質を噴き出すことで、白みはじめた空でも見える明るさになる可能性もあります。できれば12月1日から、夜明け直前に彗星の尾が昇ってくるかどうか見てみましょう。
肉眼で見えなくても、双眼鏡で見えやすい場合もあります。ただし、絶対に太陽を双眼鏡で見ないよう注意してください。
12月上旬には、日ごとに急激に暗くなっていきます。
2013年12月後半
期待通りなら、12月後半に入っても双眼鏡で見える明るさを保っています。明け方の北東の空でだんだん高い位置に見えるようになります。
12月下旬には、日没後の北西の空でも見えるようになります。
12月27日には地球に最接近し、尾が伸びるようすを真横から見ることができます。
だんだん北に移動し、12月末以降はひと晩中しずまない周極星となります。