【特集】ペルセウス座流星群 2010年8月12〜13日
流星がたくさん見えるワケ
流星の正体
流星は、宇宙空間にただよっている0.1mmから数cmのチリ(流星ダスト)が、秒速数十kmという猛スピードで地球の大気に突っ込んできたときに発光する現象です。発光する高度は上空100km前後ですが、これを地上から見ていると、夜空を一瞬で駆け抜けていく星のように見え、“流れ星”とも呼ばれます。
流星群と放射点
ほぼ毎年決まった時期に、夜空の一点からたくさんの流星が放射状に流れることが知られており、これを流星群といいます。流星が流れてくるように見える中心点を「放射点」といいますが、ペルセウス座流星群はその放射点が「ペルセウス座」の恒星の近くにあることから名付けられました。
ちなみに、特定の流星群に属さない流星は「散在流星」と呼ばれていて、1時間に数個の割合でいろいろな方向に流れています。
流星群が毎年同じ時期に見えるしくみ
流星群のもととなる流星ダストは、彗星などと深い関係にあります。彗星が太陽に近づくと、彗星の核から放出された流星ダストは彗星と似た軌道で太陽を回るようになります。こうしてできた流星ダストの帯に地球が接近すると、流星ダストが地球の大気に突入してきて、流星となって見えるのです。地球は1年で太陽のまわりを1周するので、流星ダストの帯と毎年ほぼ同じ時期に接近することになり、流星群のピークは毎年ほぼ同じ日付になるのです。
ペルセウス座流星群の流星のもととなる流星ダストを放出した彗星(母彗星)は、スイフト・タットル彗星(109P)です。この彗星が太陽に近づいた1992年前後には、ペルセウス座流星群は例年より活発でした。
流星群のしくみや彗星についての詳しい解説は、星空ガイドのページ「これだけは覚えておきたい天文の基礎知識」やムック「太陽系ビジュアルブック 改訂版」もご覧ください。
ペルセウス座流星群の特徴
地球がスイフト・タットル彗星による流星ダストの帯に一番近づくのは、毎年8月12日から13日ごろです。ですから、このときに流星の出現数はピークをむかえます。ただし、「帯」と表現したように、ダストはある程度散らばっています。流星の出現数が少ない時期も含めれば、ペルセウス座流星群の出現期間は7月下旬から8月20日にかけてと比較的長くなります。
流星自体の特徴は、ダストが地球に衝突する速度が速いために明るい流星が多いことです。また、流星が流れたあとに、ぼんやりとした煙のような「流星痕」が見られることも多いです。
そしてなんと言っても、流星がたくさん見られるのがペルセウス座流星群の魅力です。条件がよければ、1時間あたり50個以上(1分間で1個!)の流星を見ることができるでしょう。ちょうどお盆のころで観察しやすいことから、毎年人気の天文現象です。