2014年 4月

冬の大三角と木星が南西の空に、春の大三角と火星が南東の空に見えている。その間、南の空の高いところに輝くのは、しし座の1等星レグルスだ。北東の空の高いところには北斗七星もある。こうした星や星座たちを見上げると、夜空の世界にも春の訪れを感じられる。

しし座の下、南の空には、全天で最大の広さを持つうみへび座が大きく横たわっている。南東の空に見えるおとめ座は2番目の広さ、北斗七星を含むおおぐま座は3番目だ。暖かい空気のなか、春の星座のような広く大きな気持ちで、のんびりと星空散歩を楽しみたい。

この春一番の見ものは、14日に地球と最接近する火星だろう。地球と火星の最接近は約2年2か月ごとに起こる現象で、距離は毎回異なる。今回は9200万km離れた小接近だが、それでもマイナス1.4等級の赤っぽい輝きは春の優しい空の中でひときわ目立つ。おとめ座の1等星スピカとの色の対比を楽しんだり、同じ14日に明るい月と並ぶ光景を観察したりしてみよう。

今月の星空 4月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星 4月

水星

  上旬 中旬 下旬
  * * *
等級 -0.3 -0.9 -2.1
視直径 5.5" 5.2" 5.1"
星座 みずがめ うお おひつじ
現象
  • 15日 天王星と最接近
  • 26日 外合

金星

  上旬 中旬 下旬
  * * *
等級 -4.3 -4.2 -4.1
視直径 21.3" 19.4" 17.8"
星座 みずがめ みずがめ みずがめ
現象

火星

  上旬 下旬
  * *
等級 -1.4 -1.3
視直径 14.9" 14.9"
星座 おとめ おとめ
現象

木星

  上旬 下旬
  * *
等級 -2.2 -2.1
視直径 37.9" 35.8"
星座 ふたご ふたご
現象
  • 4日 東矩

土星

  上旬 下旬
  * *
等級 0.2 0.1
視直径 18.2" 18.5"
星座 てんびん てんびん
現象

天王星・海王星

  天王星(中旬)海王星(中旬)
  * *
等級 5.9 7.9
視直径 3.3" 2.2"
星座 うお みずがめ
現象
  • 2日 天王星が合
  • 12日 海王星が金星と最接近
  • 15日 天王星が水星と最接近