2021年12月の星空

今月まず注目したいのは、5等級前後まで明るくなると期待されているレナード彗星(C/2021 A1)。12日ごろまで未明~明け方に東の空に見える。月明かりの影響がなく、高度は比較的高めと、観察条件が良い。アルクトゥールスなどが目印になるのも好都合だ。双眼鏡で眺めたり写真に撮ったりしてみよう。

7日から9日にかけては夕空がにぎやかになる。南西の空で等間隔に並ぶ金星、土星、木星に連日、月が寄り添う。年の瀬の地上風景と共に眺めたい。チャンスがあれば天体望遠鏡でも惑星を観察しよう。とくに金星が大きく欠けている様子が面白い。

さらに日が過ぎ13~15日ごろには、毎年恒例のふたご座流星群が活動のピークを迎える。上弦過ぎの月が夜半過ぎまで空を照らすため目にできる数は減りそうだが、明るい流れ星が飛ぶことに期待しよう。防寒は念入りに。

月の後半には大きめの天文現象は少ないが、「星空年鑑 2022」で来年の予習、機材のメンテナンス、エリダヌス座の星をつないで川下りなど、長い夜を楽しもう。どうぞ良いお年を。

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全天星図

全天星図

東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。


主な天文現象

12月 レナード彗星が5等前後
3日(金) 細い月と火星が大接近/火星食
7日(火) 細い月と金星が接近
9日(木) 月と木星が接近
14日(火) ふたご座流星群が極大
17日(金) おうし座67番星、κ星の食
23日(木) こぐま座流星群が極大
28日ごろ 火星とアンタレスが接近
29日ごろ 水星と金星が接近
カレンダー(月齢と天文現象)

惑星

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -1.0 -0.8 -0.7
視直径 4.7″ 4.8″ 5.3″
星座 へびつかい いて いて

金星▶ 特集ページ

上旬 中旬 下旬
等級 -4.7 -4.6 -4.5
視直径 41.4″ 48.8″ 56.7″
星座 いて いて いて

火星

上旬 下旬
等級 1.6 1.6
視直径 3.8″ 3.9″
星座 てんびん へびつかい

木星▶ 特集ページ

上旬 下旬
等級 -2.3 -2.2
視直径 37.9″ 36.0″
星座 やぎ みずがめ

土星▶ 特集ページ

上旬 下旬
等級 0.7 0.7
視直径 15.9″ 15.6″
星座 やぎ やぎ

現象

  • 8日 細い月と並ぶ
  • 17日 金星と最接近

天王星・海王星

天王星(中旬)海王星(中旬)
等級 5.7 7.9
視直径 3.7″ 2.3″
星座 おひつじ みずがめ

現象

  • 2日 海王星:留
  • 14日 海王星:東矩