爆発から6年経っても見えている超新星

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2012年に発見された超新星2012auは、爆発から6年後の今も見えている。その明るさを維持しているのは、爆発後に残された中性子星が作るパルサー星雲かもしれない。

【2018年9月20日 パデュー大学

2012年3月、おとめ座の銀河NGC 4790に超新星2012au(SN 2012au)が出現した。こうした超新星の明るさは数か月から数年かけて徐々に暗くなっていくが、SN 2012auは爆発から6年経った今でも観測可能な明るさを保っている。

超新星2012au
(左)超新星2012auが出現した銀河NGC 4790。(右上)2001年撮影(超新星が現れる前)、(右下)2013年撮影(提供:NASA, ESA, and J. DePasquale (STScI))

SN 2012auは、多くの点で通常とは異なる、一風変わった超新星であることが知られてきた。超高光度超新星と呼ばれるタイプの超新星ほどは明るくないものの、非常に高エネルギーで長続きし、減光がゆっくりだった。

「爆発前の星が放出していた水素ガスと超新星爆発とが何らかの相互作用を起こしていない限り、爆発後これほど長期にわたって超新星の姿が見え続けた例は、他に見たことがありません。しかし、SN 2012auの観測データには水素の存在を示す特徴が見られません。この天体は何かによってエネルギーを得ていることになります」(米・パデュー大学 Dan Milisavljevicさん)。

大質量星が崩壊するタイプの超新星爆発では、あとに中性子星が残されることがある。その中性子星が磁場を持ち高速で自転すると、近くの荷電粒子を加速させ、電波やX線の波長で輝く「パルサー星雲」と呼ばれる天体となる。Milisavljevicさんたちによれば、そのようなプロセスがSN 2012auで起こった可能性があるという。「パルサー星雲が、爆発で放出された物質を照らし出す電球のような役割を果たすほど明るくなる、重要な瞬間です」(Milisavljevicさん)。

Milisavljevicさんは、極端に明るかった他の超新星爆発の場所を観測し続ければ、同じような変化が見られるだろうと予測している。「もし本当にパルサー星雲が爆発した星の中心に存在していれば、内側からガスを押し出して加速することも可能です。数年後に注意深く観測すれば、酸素の豊富なガスがもっと速く離れ去る様子が観測できるかもしれません」(Milisavljevicさん)。

超高光度超新星は、重力波源やブラックホールの元である可能性や、ガンマ線バーストや高速電波バーストといった現象との関連から、注目されている天体である。そのため、超高光度超新星の基本的な物理を理解することが重要だが、非常に遠くで起こる比較的珍しい現象であるために観測が難しい。「超新星爆発は宇宙における基本的なプロセスです。酸素や鉄など人間に欠かせない元素も超新星爆発が起源です。ですから、この宇宙の住人である私たちにとって、そのプロセスを理解することが重要なのです」(Milisavljevicさん)。

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