相模原から水星へGo!水星を身近に感じるイベント

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神奈川県相模原市立博物館で「相模原から水星へ」をテーマにイベントが開催され、水星探査に携わる研究者による講演や、マンガ『惑わない星』の作者・石川雅之さんとの座談会が行われた。

【2019年2月15日 星ナビ編集部

文:橋本京子さん(相模原市立博物館プラネタリウム

2月9日(土)に開催された「宇宙フェスタさがみはら 相模原から水星へ」のメインプログラムは、水星磁気圏探査機「みお」プロジェクトチームのJAXA宇宙科学研究所・村上豪助教、早川基教授の講演会と、このお2人に加えマンガ『惑わない星』(講談社)作者の石川雅之さんを交えた座談会だ。

水星磁気圏探査機「みお」は、JAXAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)が共同で進めている国際的な水星探査計画BepiColomboとして、ESAの探査機「MPO」とともに2018年10月20日に打ち上げられた。9回の惑星フライバイを経て2025年に水星に到着する予定。『惑わない星』は、荒廃した未来の日本に住む主人公S沢のもとに少女の姿をした「地球」が現れ、その地球を救うために、人の姿をした「惑星」たちが集まって…というストーリー。随所に宇宙や物理の知識が織り込まれた、読み応えのある作品だ。

講演会では、水星についての解説や探査の意義、そして国際的な探査計画となった経緯やプロジェクト進行上の難しさなどが紹介された。その後の座談会では、石川さんからは『惑わない星』誕生秘話や、マンガの内容に惑星探査の成果が反映されていることが披露された。また、早川先生や村上先生からも、惑星探査ミッションに携わるようになった理由などが語られるなど、ふだんはあまり聞けない話が飛び出した。

擬人化した惑星のキャラクター 石川雅之さん
(1枚目)座談会では、会場であるプラネタリウムならではの演出が。地上から水星を見たら、そのまま宇宙へ飛び出して太陽系惑星を俯瞰、その後水星に急接近し、さらにドームスクリーンいっぱいに擬人化した惑星のキャラクターが映し出された(Ⓒ 石川雅之/講談社)(撮影:星ナビ編集部、2枚目も)
(2枚目)『惑わない星』の前に、菌が見える大学生を主人公にしたマンガ『もやしもん』を連載していた石川雅之さん。惑星が擬人化されるという設定について、「微生物や菌といった小さいものの話を描いたので、次は大きいものの話にしようと考えたんです。でも、宇宙みたいな遠くてよくわからないものののことを考えるとヒエッと気持ち悪くなる。それならば、(宇宙に行くのではなく)こちらに来てもらえばいいと思って」と語った

イベントでは、ほかにも宇宙映像と音楽のコラボレーションや、宇宙飛行士訓練服(レプリカ)との記念撮影コーナー、宇宙にちなんだ紙芝居上演やミニ工作、JAXAパネル展示などのプログラムが用意され、雪のちらつく天気にもかかわらず大勢の親子連れでにぎわった。

「星ナビ」編集部より

今回の座談会への石川さんの参加は「星ナビ」編集部の提案で企画がスタートしました。講談社のモーニング編集部は「これからも宇宙や科学に関わる施設などとコラボイベントをやっていきたい」ということで、さらなる展開に期待できそう。イベントの様子は「星ナビ」4月号(3月5日発売)でも詳しく紹介します。