伊丹市立こども文化科学館で小学生が挑むプラネタリウム番組制作
【2025年1月7日 アストロアーツ】
報告:髙野美南海(アストロアーツ プラネタリウム事業部)
プラネタリウムは新しい時代に突入しています。
まるで飛行機のコックピットのような操作卓。ひと昔前までは、プラネタリウムは練習を積み重ねた解説員、いわばプロでなければ投影ができない時代でした。
時代が進み、デジタルプラネタリウムの普及に伴い、操作インターフェイスが簡略化されました。その結果、一般の方でもイベントなどで手軽に投影を行えるようになり、「市民参加型プラネタリウム」が実現されつつあるのです。
そのようななか、伊丹市立こども文化科学館(兵庫県)ではアストロアーツと共同で、アストロアーツのデジタルプラネタリウムソフトウェア「ステラドームスクール」を使ってプラネタリウム番組を制作し、ドームで投影を行う講座「プラネタリウムクラブ」を、市内の小学生を対象に実施しました。この講座はプログラミングと天文学習を兼ねたもので、10人の子どもたちが7月から10月にかけて計7回の講座に参加し、番組制作を通じて天文宇宙の楽しさと創造性を学びました。
番組制作は、次のようなステップで進めました。
- テーマを考える ― 自分の興味を持ったテーマを検討する
- 天体を考える ― テーマに関連する天体を検討する
- 天体について調べる ― 本を読むなどしてテーマや天体に関する知識を深める
- 番組の流れを考える ― テーマに沿って、観客が楽しみながら理解できるように、天体の紹介や解説の順序を考える
- プログラミングをする ― 考えた番組の流れを元に、ステラドームスクールを使って番組のスクリプトを組み立てる
- シナリオを考える ― 解説する内容を自分たちの言葉で準備する
- 発表練習をする ― シナリオの読み上げ、ポインタの操作、パソコンの操作を簡易ドームで練習する
講座では「自分の好きな内容で自由に制作すること」や「プログラミングは何回間違えてもよいこと」を重視し、のびのびと学べる環境を整えました。自分で弾いたピアノをBGMに美しい星空を投影する、自分で描いた星座絵を用いて好きな星座について徹底的に解説する、地球を飛び出して太陽系の惑星巡りを楽しむなど、個性あふれる番組が完成しました。
12月14日(土)の発表会当日、子供たちは緊張しながらも科学館プラネタリウムの操作卓に立ち、しっかりと解説を行いました。操作に不安を感じていた生徒も、実際に投影が始まると堂々とした姿を見せ、観客として来場した保護者の方々からは温かい拍手が送られました。
「プラネタリウムクラブ」は、天文学やプログラミングを通じて、子供たちが主体的に学び、発表する場を提供する取り組みです。子供たちの興味や創造性を引き出し、科学への関心を深めるこのような活動が、未来の科学者やクリエイターを育むきっかけとなることを期待しています。
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