生徒たちが星空を冒険 松本市教育文化センターで「星空プログラミング」

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アストロアーツのデジタル式プラネタリウム「ステラドームプロ」「ステラドームスクール」が導入されている松本市教育文化センター。才教学園小学校・中学校の7年生がプラネタリウム番組を自作し投影を行う「星空プログラミング」の発表会が12月に開催された。

【2024年12月26日 アストロアーツ】

報告:巣山孝弘さん(才教学園小学校・中学校 教頭)

「普段はなかなか聞けない、子どもからの感謝の言葉を、プラネタリウムの投影を通じて聞くことができ、とても素晴らしい機会でした…」

これは、星空プログラミングを鑑賞いただいた、保護者の方からの感想です。

発表会のパンフレット
発表会のパンフレット

私たち才教学園は、長野県松本市にある私立の小・中一貫校です。2021年度(令和3年度)より、従来の探究活動に「テクノロジーの活用」「地域や企業とのコラボレーション」「活動の総括にアウトプット活動を行う」等の要素を加えたSTEAM教育を開始。そのなかでコラボレーション先を模索していたところ、地元、松本市の教育公共施設である松本市教育文化センターにて、子どもが実際のプラネタリウムを用いて投影を行う「星空プログラミング」の講座や学びの支援を行っていることを知り、「まさに、STEAMそのものの活動である!」と、7年生(中学1年生)が年間行っていく活動にしていこうと相談し、活動が始まりました。同活動は昨年度に続き2年目の取り組みになります。


まず4月に、今年度のSTEAM活動が松本市教育文化センターで行う星空プログラミングであることを伝え、7年生46名を約3名1グループになるよう15組に分けた後、生徒には「最終12月の5回目には保護者の方を招待し、グループ発表会を行う」ことを告げました。

5月の初回時には、そもそもプラネタリウムに行ったことがない生徒が多く、施設の規模やコンソール(操作卓)、本物の投影機、それらを駆使して解説をする過程を知ると、「難しそう」「自分たちにこんなことができるのだろうか」と不安な声もあがりました。一方で「わくわくする」「番組を作ってみたい」という前向きな声もあり、心配と期待が交錯する中で活動がスタートしました。この日はアストロアーツのデジタルプラネタリウムソフトウェア「ステラドームスクール」に簡単なコマンド入力を行い、「松本の星空を映す」「地球から月に移動する」といった動きが実際に投影されることを体感しました。

プログラミング風景
プログラミング風景

その後も8, 10, 11月の3回同館での準備を進めましたが、館を訪れない間は、毎週土曜日にまとまった単位で行われる学校での総合(STEAM)の授業で、企画を練ったり発表原稿を考えたりしました。松本市教育文化センターの活動では、なるべくプログラミングや機器の操作に時間が割けるようにとの配慮です。

生徒たちはこれまでにも、授業や年間を通じたSTEAM活動の経験から、プログラミングの素地はありました。しかし今回は勝手が異なることもあり、「惑星をひたすら高速回転させてしまう」「ゴールの無い宇宙旅行をしてしまう」といったトラブルもあったようです。それでも様々なトライアル&エラーを経て、徐々に「音楽を流す」「キャラクターを挿入する」などの付加的な技術も習得していきました。

さらに教育文化センターの先生からは、「『星空プログラミング』の学びで大切なことは相手意識。自分の思いを伝えることだけでなく、相手も自分も幸せになれる作品にしていくことの大切さ」を繰り返し具体的に支援いただきました。気がつくと生徒たちは、ステラドームスクールを旧知の機器のように駆使できるようになりました。


12月12日(木)、いよいよ迎えた発表会当日です。鑑賞いただく方にそれぞれのグループの思いが伝わることを意識した発表は、ユーモア、コミカル、ファニー、センチメンタル、ファンタジーと、まさに星々のごとく様々な個性を垣間見ることができるものでした。

発表会のパンフレット
各グループのメッセージ。冒頭の保護者の方の感想にもある通り、友達、先生、そして両親への日ごろの感謝もつづられている。画像クリックで表示拡大

投影風景 投影風景
投影風景。それぞれ画像クリックで表示拡大

操作の様子
操作の様子。生徒がオペレーションを行い、生徒のアナウンスで語られた

プラネタリウムという非日常のキラキラした空間で、子ども達のここまでの探究の学びにおける試行錯誤と、胸に秘めていた思いに触れ、とても心地よく有意義な半年の活動となりました。ここまで根気強く付き合っていただいた松本市教育文化センターの先生方、そして、子ども達にかけがえの無い達成感を味わわせてくれた教育文化センタープラネタリウムに感謝です!

集合写真
集合写真


松本市教育文化センターでは、2024~2025年の冬季に、今度は市民を対象とした「星空プログラミング」を開講します。発表会は2025年2月16日(日)で、誰でも無料で観覧が可能です。詳しくは講座案内のウェブページをご覧ください。

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