隕石発見!畑で見つけた「変わった石」
【2018年3月2日 星ナビ編集部】
解説:三河内岳さん(東京大学理学部)
(「星ナビ」2018年4月号掲載記事より抜粋)
2017年7月のこと。岐阜聖徳学園大学の川上紳一さんから、岐阜市内で鉄隕石らしいものが見つかって、どう見ても本物なのできちんと鑑定してもらいたいというメールが送られてきた。急ぎその石を送ってもらったところ、届いたものを一目見て本物だと確信した。
話によると、そもそもは2012年10月ごろに岐阜市内の住宅街にある三津村勝征さんが管理している栗畑で、他とは違う変わった石があったので、家に持ち帰って保管していたものだという。東京大学と国立極地研究所でそれぞれ分析を行い、2017年12月に国際隕石学会へ申請を行った。名前は「長良隕石」とした。見つかった場所が岐阜市長良で、近くに長良川が流れていることによる。隕石の名前はその土地に関連するものでなければならないというルールがあるのだ。「岐阜隕石」としなかったのは、岐阜県で1909年に隕石雨として回収された「美濃隕石」が、“Gifu”隕石として国際隕石学会に登録されているからである。
長良隕石の発見で、これまでに国内で見つかった隕石は51個になる。いちばん最近承認された隕石は2004年の神岡隕石(秋田県で発見)だったので、じつに14年ぶりの国内での新隕石発見である。神岡隕石の前年には広島隕石が落下しているし、このような隕石の発見は続くことが多いので、次の新しい隕石発見・落下にも期待したい。
詳細記事は星ナビ4月号で。
■ 展示情報
岐阜市科学館で長良隕石を展示中。6月30日(土)まで。
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