ミールへの最後のプログレス補給船が出発

【2001年1月25日】

ロシアの宇宙ステーション「ミール」を廃棄するための無人補給船「プログレスM1-5」が日本時間1月24日13時29分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。この打ち上げは当初1月18日を予定していたが、ミールの姿勢制御用ジャイロダイン (ジャイロスコープ) とメイン・コンピュータの停止という技術的トラブルから打ち上げ直前になって延期されていた。

この「プログレスM1-5」には、食料や水などの補給品が積載されていない代わりに、通常の2.5倍 (2,677キログラム) の燃料を満載している。プログレスは、通常は2日かけてミールに到達する軌道をとるが、今回は3日以上かかるが燃料をより節約できる軌道をとる。さらに軌道制御にメインエンジンを用いず、代わりに小型推進器を使うことで極力燃料を節約する。ミールへのドッキングは日本時間1月27日14時30分ごろの予定。

ミールの方は、メイン・コンピュータは復旧したものの、ドッキングの際に重要な姿勢制御を行なうジャイロダインが未だ作動不良の状態である。しかし、管制センターでは、姿勢制御にジャイロダインの代わりに小型推進器を用いる方針であり、ジャイロダインが作動しなくてもプログレスのドッキングや大気圏への再突入の際の安全に支障はないとしている。

プログレスは、3月4日〜5日にかけ3回のエンジン噴射を行ない、ミールの速度を合計で28メートル毎秒落とす。そして、プログレスは3月6日に最後のエンジン噴射を行ない、ミールの速度を17.3メートル毎秒落とし、ミールを最終の大気圏再突入コースに乗せる。ミールはその日の後半、太平洋上空で大気圏に再突入し、その15年の歴史を閉じる。巨大なミールは再突入でも燃え尽きることなく、多数の破片がオーストラリア北東の太平洋に落下すると考えられている。

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