長谷田さん、いて座に肉眼等級の新星を発見

【2002年9月24日 国立天文台天文ニュース(582)

愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんは、2002年9月20.431日(世界時;UT)に撮影したフィルムから5.0等級の明るい新星である可能性のある天体を検出しました。VSNET(国際変光星ネットワーク)を通じた確認観測が行われた結果、アメリカの Doug West が 9月21.066日(UT)に撮像したCCD画像から、この天体の存在を確認しました。

また、9月19.424日(UT)撮影の三重県上野市の田中利彦(たなかとしひこ)さんの写真、19.427日(UT)撮影の静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんの写真にもこの天体の発見前の像が写っていることが判りました。

岡山県の藤井貢(ふじいみつぐ)さんは、確認のスペクトル観測を行い、9月21.44日(UT)取得のスペクトルに水素の輝線と鉄の輝線を確認しました。これらの特徴は Fe II型新星の極大直後のものに合致します。

その後、位置は以下のように報告されています(VSOLJ ニュース (095)の値)。

赤経  19時01分09.34秒
赤緯 -22度00分05.5 秒 (2000.0)
新星周辺の星図(72KB)

長谷田さんは今年の1月25日にも「へびつかい座新星2002」を発見されています(天文ニュース(518))。これまでにも多くの新星を発見しているベテランの観測者です。

(以下、VSOLJニュース095、096からの抜粋)

  • West によれば、天体はCCD Vバンド等級で 6.3等より明るい
  • 西村さんは等級を4.9等と測定。田中さんのカラー写真では新星はまだ青く、このころが極大光度であったのではないかと考えられる
  • 九州大学の山岡均氏によると、爆発前の天体として17等の星が同定されている
  • 新星は21日に5.8等ぐらいとの報告がある
  • VSNET の以下のページに各種情報、星図へのリンクなどあり
    http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Novae/nsgr02-3.html