山形市の板垣さん、またも超新星を発見:今年6個目
【2007年8月26日 VSOLJ ニュース(179)】
超新星は、ひとつの銀河で50〜100年に1個程度、私たちの銀河系では1604年以来観測されていない(※)、比較的まれな現象です。しかし時折、同じ銀河にそれほど時を置かずに超新星が相次いで発見されることがあります。今回の超新星2007gwも、その一例です。
山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、8月24.481日(世界時、以下同様)に60センチメートル反射望遠鏡を用いて撮影したCCD画像に、16.7等の新しい天体を見つけました。改めて調べてみると、20.512日に撮影した画像にも、およそ17等で写っていましたが、それ以前の画像にはこの天体は見られません。位置は以下のとおりで、母銀河であるNGC 4161の中心核から北に1秒角、東に10秒角ほどのところにあたります。
赤経 12時11分34.60秒 赤緯 +57度44分15.9 秒 (2000年分点) NGC 4161の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星
この銀河には昨年も、超新星2006dkが出現しました。こちらは銀河の中心核から北に11秒角、東に6秒角のところでしたから、位置はかなり異なります。昨年の超新星は重力崩壊型のものでしたが、今回のものと発見時の明るさが似通っており、今回の超新星2007gwも重力崩壊型である可能性が高いものと思われます。今後の分光観測などが期待されます。
(※)1680年ころに爆発したと思われる超新星残骸が見つかっていますが、対応する星の増光は記録されていません。
超新星2007gwの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。