アンドロメダ座大銀河に明るい新星が出現

【2008年12月1日 VSOLJニュース(204)】12月8日 更新

新天体を多数発見されているベテラン捜索者、板垣公一さんがアンドロメダ座大銀河M31に明るい新星を発見された。この天体は、板垣さんが撮影した画像に14.5等の天体としてとらえられ、新星のなかでもとくに明るいものと推定されている。

12月8日 更新分:板垣さんが発見されたこの新星は、その後銀河系内の矮新星であることが確認されました。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

アンドロメダ座に、肉眼でも見える雲の切れ端のような天体。それは、私たちの銀河系のお隣の銀河である、アンドロメダ座大銀河です。距離は200万光年強で、ここで新星が出現すると16等〜18等ほどに明るくなることが多く、個人所有の望遠鏡でも冷却CCDを組み合わるとじゅうぶんに撮影できます。

そのため、このところアンドロメダ座大銀河での新星探しが流行しています。そんな中、たいへん明るい新星が、このアンドロメダ座大銀河で発見されました。発見したのは、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんで、各種の新天体を多数発見されているベテラン捜索者です。

板垣さんは、11月28.642日(世界時、以下同様)に撮影した画像で、14.5等の新しい天体に気付きました。以前の画像を調べてみたところ、2日前の26日にも19等〜18等くらいで写っていた一方、それ以前の画像では見られないことがわかりました。天体の位置と板垣さんが撮影した画像から測定した明るさは、以下のとおりです。

  赤経: 00時42分26.50秒
  赤緯:+42度15分36.7 秒(2000年分点)
11月26.498日19.0等
26.538日18.8等
26.548日18.8等
26.561日18.6等
26.564日18.5等
26.565日18.4等
26.581日18.2等
28.642日14.5等
28.643日14.5等
28.645日14.6等
28.651日14.5等
28.663日14.6等
28.714日14.7等
28.739日14.9等

この天体は、おそらく28日頃に極大(もっとも明るい時期)を迎えたものと思われます。絶対等級で-9等を越える、新星のなかでも特に明るいものと推定されます。

新星は明るいものほど光度変化が速いことが知られており、今回の新星も明るい状態なのはたいへん短いと思われます。ぜひ、アンドロメダ座大銀河を撮影して、新しい星を体験してみるのはいかがでしょうか。

<参照>

  • VSOLJニュース(204): アンドロメダ座大銀河に明るい新星が出現
  • CBET 1588: M31N 2008-11b (BRIGHT NOVA IN M31) (2008 Nov 28)
  • CBET 1611: CATACLYSMIC VARIABLE IN ANDROMEDA (2008 Dec 8)

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