ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河の引っぱり合い

【2009年3月17日 HubbleSite

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が、みなみのうお座の方向約1億光年の距離に、お互いに引きつけ合う3つの銀河をとらえた。中には引き裂かれてしまった銀河もあるが、最終的には合体して1つの大きな楕円銀河になるとみられる。


(HSTがとらえた3つの銀河の画像)

HSTがとらえた3つの銀河。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and R. Sharples(University of Durham))

HSTがとらえたのは、NGC 7173(写真左)、NGC 7174(右)、NGC 7176(右下)の3つの銀河。

なだらかに見えるNGC 7173 とNGC 7176は、ともにガスやちりの少ない楕円銀河である。一方、ひとまわり小さく見えるNGC 7174は、かつてはわれわれの天の川銀河のような渦巻き銀河だったと考えられている。腕に沿って延びていたであろう、ちりの筋は、ひしゃげてしまった。

NGC 7174自体は、2つの楕円銀河に引き伸ばされてばらばらになり、やがて飲み込まれていく運命にある。その過程で、NGC 7174に豊富に含まれるガスやちりから星が急激なペースで生まれるはずだ。最終的には2つの楕円銀河も合体し、われわれの天の川銀河と比べて数倍の規模を持つ巨大な銀河が誕生するだろう。