「Narukospa(鳴子温泉)」が小惑星の名前に
【2009年10月27日 大崎生涯学習センター】
群馬県大泉町のアマチュア天文家 小林隆男さんが1997年に発見された小惑星が、「Narukospa(鳴子温泉)」と命名された。
群馬県大泉町のアマチュア天文家 小林隆男さんが1997年に発見した小惑星に、「Narukospa(鳴子温泉)」の名が与えられた(正式名称は「(9107) Narukospa」)。
宮城県大崎市鳴子温泉にちなんだ“鳴子”の名は、昨年火星のクレーターにつけられたが、小惑星にもつけられることとなった(参照:ニュース「宮城県の地名「鳴子」が、火星のクレーターに」)。
小惑星Narukospaの発見者である小林さんは、これまで2446個の小惑星をはじめ、彗星や超新星などの新天体を発見している世界的に有名な天体観測者の一人である。
「Narukospa」の名称は、発見者である小林さんが7月に申請、その後国際天文学連合(IAU)の命名委員会によって認められ、10月4日の「小惑星回報(MPC)67216」で発表された。
小惑星「Narukospa」は、直径は約19kmと推定されており、4年10か月の公転周期で火星と木星の間をまわっている。1年3か月ごとに地球へ近づき、その際に観測条件がよくなるが、一番明るいときでも16等と、肉眼で見えるもっとも暗い6等星の1万分の1以下の明るさで、肉眼で見ることはできない。画像は、オーストラリアの25cm反射望遠鏡をリモート操作して撮影したものである。
なお小惑星は、太陽系内に無数に存在する小天体で、1801年に発見された第1番小惑星ケレス以降、これまで約30万個発見されている。しかし、行方不明にならないと保障できるだけの正確な軌道計算ができるまでは正式に番号登録されず命名が許されない。
2009年10月4日現在番号登録された小惑星は221,945個。そのうち、1万5000個ほどの小惑星が命名されており、そのうち日本に関係する名前が付けられた小惑星は約1500個ある。