打ち上げ12周年の「スターダスト」、14日に彗星接近観測へ

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【2011年2月9日 NASA (1)(2)

15日にテンペル彗星(9P)との接近をひかえる彗星探査機「スターダスト」が、1999年2月7日の打ち上げから12年を迎えた。


(スターダストが撮影したテンペル彗星の画像)

1月中旬にスターダストが初めて撮影したテンペル彗星(提供:NASA/JPL-Caltech)

(テンペル彗星に接近するスターダストの想像図)

テンペル彗星に接近する探査機スターダストの想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

1999年2月7日に打ち上げられたNASAの彗星探査機「スターダスト」が12周年を迎えた。

スターダストは2004年にヴィルト彗星(81P)のコマ(注1)に突入してちりの粒子を採集し、2006年1月にサンプル収集装置を収納したカプセルを地球に向けて放出した。地球に届けられたカプセルからは地球上の生命に欠かせないアミノ酸が発見されている。

再び地球から遠ざかったスターダスト本機は、延長ミッション「Stardust-NExT」として今月14日にテンペル彗星(9P)(注2)に接近観測を行う。テンペル彗星には、2005年7月に探査機「ディープインパクト」がインパクターを衝突させ、飛び散った内部物質を分析するミッションを成功させている。

2月7日、スターダストは約30秒の噴射で接近前の細かな軌道修正を実施した。14日にはテンペル彗星に200kmの距離まで接近して彗星の表面を撮影し、ディープインパクト観測時からどのように変化したかを探る。画像撮影のほか、サイズ分布、コマ中の粒子の流れなどを観測する。

最接近時刻は日本時間15日午後1時37分ごろだ。NASAのウェブサイト(下記〈関連リンク〉)ではその7分前から管制室の模様などが中継される予定となっている。

注1:「コマ」 彗星の核から吹き出した中性のガスやダスト(ちり)がぼんやりと見える部分。

注2:「テンペル彗星(9P)」 1867年にフランスのテンペルによって発見された。公転周期は5.5年。彗星核の大きさは7.6km×4.9km。