彗星が太陽に突入する瞬間
【2011年5月18日 SOHO】
太陽に彗星が突入した瞬間を、太陽観測衛星「SOHO」がとらえた。その突入直後に、たまたまコロナ質量放出が起こっており、まるで彗星突入が原因でコロナ質量放出が起こったように見える面白い映像となっている。
NASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)の太陽観測衛星「SOHO」が、太陽に彗星が突入しているところと、その直後にコロナ質量放出(CME)が発生しているところを捉えた。
この彗星は「クロイツ群」と呼ばれる、太陽に極めて近いところを通る軌道を持つ彗星のグループの中の1つだと考えられる。ちょうど彗星の光が消えた直後にコロナ質量放出が発生し大きな爆発が起こっているが、NASAの太陽観測衛星「SDO」の観測から、この彗星が太陽の磁場と作用する前から爆発が起こり始めていることがわかっており、彗星の突入とコロナ質量放出がほぼ同時に起こったことはただの偶然だと思われる。
SOHOは1995年に打ち上げられた太陽観測衛星で、クロイツ群の彗星を数多く発見しており、また太陽への衝突の様子も何度か捉えているが、今回のようにコロナ質量放出と同時に観測されるのは珍しい。
リリース元(以下の〈参照〉のリンク先)では動画が見られるので、彗星の突入からコロナ質量放出まで一連の現象を楽しんでみよう。