すばる望遠鏡、主焦点カメラでの観測を再開

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【2012年7月19日 すばる望遠鏡

昨年7月に起こった冷却液漏れのトラブルのあと、ナスミス焦点、カセグレン焦点、赤外線用主焦点での観測を再開していた「すばる望遠鏡」が、15日に可視光用主焦点での観測も再開した。


すばる望遠鏡本体と主焦点カメラ Suprime-Cam

すばる望遠鏡本体と主焦点カメラ Suprime-Cam。クリックで拡大((c) MBTA Coporation Japan/提供:国立天文台)

昨年7月2日(ハワイ現地時間、以下同)、米ハワイにある国立天文台のすばる望遠鏡を使用中に冷却液漏れ事故が発生し、観測が中止となった。事故後、昨年9月までに、ナスミス焦点、カセグレン焦点、赤外線用主焦点ユニットでの観測を順次再開してきたが、被害が大きかった可視光用主焦点ユニットは修復作業が続けられていた。

主焦点ユニットとは、すばる望遠鏡の主焦点部分に観測装置を搭載するための機器で、装置回転機構、周辺光学系システム、ケーブル巻取り機構を一体化したシステムのことをいう。

この可視光用主焦点ユニット(主焦点カメラSuprime-Camおよび周辺光学系を含む)の修復作業が完了し、試験観測を経て、7月15日の夜から主焦点カメラによる共同利用観測を無事に再開した。なお、事故調査委員会の報告書にあげられた改善策にそって、ケーブル巻き取り機構に非常時の自動停止装置を設置するなど種々の安全対策も講じられている。