すばる望遠鏡、カセグレン焦点での共同利用観測を再開

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2011年8月31日 すばる望遠鏡

7月2日に起こった冷却液漏れによる障害からの復旧が進められている「すばる望遠鏡」では、直接影響のなかったナスミス焦点に続いて、8月26日にはカセグレン焦点の共同利用観測も再開された。


すばる望遠鏡

すばる望遠鏡の概略図。クリックで拡大(提供:META Corporation Japan #150132)

冷却液がかかったFOCAS

事故直後、赤色の冷却液がかかった「FOCAS」の様子。クリックで拡大(提供:国立天文台)

米・ハワイ島にあるすばる望遠鏡は、7月2日に起こった主焦点部からの冷却液漏れ障害のあと、7月22日にナスミス焦点のみ共同利用観測を再開していたが、8月26日にカセグレン焦点での共同利用観測も再開された。

カセグレン焦点は、冷却液漏れが起こった主焦点部の真下にある主鏡の下にあり、直接影響を受けた部分だ。

現在は、事故当時設置されていた微光天体分光撮像装置(FOCAS)と周辺光学系(観測装置の補助機器)は取り外されて調査・修理が進められており、周辺光学系を必要としない冷却中間赤外線分光撮像装置(COMICS)と多天体近赤外撮像分光装置(MOIRCS)を取り付けての観測が行われている。

障害が起こった主焦点部では、冷却液漏れが再発しないよう主焦点部ユニットは完全に取り外されている。当面は、冷却液を使わない副鏡を主焦点部に取り付けて、ナスミス焦点とカセグレン焦点の利用を進めていくという。

冷却液漏れの原因については、後日調査委員会による報告が行われる。

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉