星条旗は月面でも永遠? 探査機が撮影
【2012年7月31日 LROC/Apollo Lunar Surface Journal】
1970年代のアポロ・ミッションで宇宙飛行士達が月面に立てたアメリカ国旗が今でも倒れずに残っている様子が、月探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」によってとらえられている。
月探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」(LRO)が2009年6月に打ち上げられる前、アポロ計画の着陸地点を撮影できるか、月面に残ったローバーや降下段、宇宙飛行士達が立てた星条旗が見られるか、といった質問が搭載カメラの担当チームに多く寄せられていた。
アポロ12号、16号、17号の着陸地を撮影した画像ではそれらすべてが写っていたが、主任研究員のMark Robinsonさんは、旗がまだ立っているのが意外だったという。月は地球と違い大気に守られることなく、太陽の熱や高エネルギー放射線に直接さらされる環境だ。「強い紫外線と厳しい温度環境でまだ残っていたなんて、ちょっと驚きました。旗の柄が色褪せずに残っているかどうかはわかりませんが」(Robinsonさん)。
同じ場所を違う日射角度の時にとらえた画像と比較してみたところ、3つの着陸地で立てられた旗から長い影が伸びており、まだそこに立ってることをうかがわせた。リリース元では、影が動いている様子を撮影した動画も公開されている。「Apollo Lunar Surface Journal」でも検証画像がまとめて紹介されているので見てみよう。
もっとも肝心といえる、人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号で立てられた星条旗については、月面から離陸する際の噴射で倒れたようだ。バズ・オルドリン飛行士がその様子を見たと著書「地球への帰還」(Return to Earth)で回顧しており、着陸地の画像から見てもどうやらその通りになったようだという。
NASAの「アポロ計画」ミッションページでは、アポロ11号の着陸時の月面画像とLROによる月面データを比較した動画が掲載されている。