どれだけ見えた? 真夏の夜の天体ショー
【2012年8月21日 アストロアーツ】
8月中旬の夜は相次いで天文現象が見られ、明け方の惑星や流れ星に注目が集まった。話題の天体ショー、あなたはいくつ見られましたか?
8月中旬は、金星食やペルセウス座流星群など注目の天体ショーが目白押しだった。特に11日深夜から16日未明にかけては5夜連続で何らかの「天文現象」が見られるということで、多くの天文ファンはお盆休みをいいことに、またオリンピック観戦のついでに夜更かしして、深夜や明け方の空を楽しんだことだろう。
まず最初は11日深夜(12日未明)の「月と木星の大接近」。雲に覆われた地域も多かったが、見られる時間帯が長く肉眼でも見やすい現象なので、チャンスは多かった。決して珍しい現象ではなく、9月8日には次のチャンスが訪れるので、見逃したという人はぜひチャレンジしてみよう。
8月12日〜13日を中心とした「ペルセウス座流星群」では、「三大流星群」の名にふさわしい、明るく目立つ流れ星が多く見られ、見事な火球や流星痕の画像も寄せられている。
残念だったのが、14日未明の「金星食」。天候に恵まれず、潜入や出現の瞬間をとらえることができた人は数少なかったもよう。それでも、大接近している月と金星を雲の間からとらえた美しい画像や、雲の存在を活かした風情ある画像が多く寄せられた。
一方で16日の「西方最大離角の水星と月の接近」は天候に恵まれたところが多く、地球照がくっきりと見える細い月をたよりに、なかなか見る機会の少ない水星を目にしたという人も多かったようだ。空高く輝く木星に明けの明星、冬の星座など、朝焼けのグラデーションに浮かぶ星々は絶品。
また宵の空では土星、火星、おとめ座のスピカが集まって見えており、こちらも見逃せない。14日と15日にはほぼ一直線に並ぶ姿が見られたが、今後もしばらくはお互いの近くに見え、その美しい色のコントラストを楽しめる。22日には月も近づく。
金環日食、金星の太陽面通過、金星食という「トリプル金」の天体ショーは終わったが、夜空はこれからも見どころいっぱい。星空ガイドで欠かさずチェックしよう。