太陽セイル「イカロス」が冬眠から復旧
【2012年9月11日 JAXA】
JAXAが2010年に打ち上げ、ミッション終了後に冬眠モードに入っていた小型ソーラー電力セイル「イカロス」からの電波が8日に確認された。「イカロス」がついに、長い眠りから目覚めたのだ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型ソーラー電力セイル「イカロス(IKAROS)」は、今年1月6日までに冬眠モードに移行したことが確認されていた。「冬眠モード」とは、太陽に対する機体の向きの変更にともなって発生電力が低下し、搭載機器がシャットダウンされた状態のことだ。
冬眠モード移行後は、月2回の運用ペースで「イカロス」の探索が続けられてきた。今月6日に「イカロス」からのものと思われる電波が発見され、8日に「イカロス」であることが確認された。現在の状態については調査中とのことだ。
「イカロス」は2010年5月に金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げられた小型衛星で、太陽光圧による航行と薄膜の太陽電池による発電などの技術実証が行われた。多くの実験ミッションを完遂した後、発電デバイスが方向・距離ともに太陽光を受けにくくなったことで発生電力が低下し、冬眠モードに入っていた。
運用チームでは、復旧した「イカロス」のデータから冬眠中の光圧加速の状況などを調べる予定だ。