ISSから小型衛星の放出実験に成功

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2012年10月5日 JAXA (1)(2)

4日深夜から5日未明にかけて、国際宇宙ステーション(ISS)から小型衛星を放出する技術実証実験が実施され、星出彰彦宇宙飛行士らのオペレーションにより5機の衛星を軌道に送り出すことに成功した。また同日、油井亀美也宇宙飛行士が2015年に初飛行することが発表された。


衛星放出の様子

小型衛星「WE WISH」と「RAIKO」(左)、「FITSAT-1」「F-1」「TechEdSat」(右)放出の様子。クリックで拡大(提供:JAXA/NASA)

実験準備を行う星出飛行士と「きぼう」運用管制室

衛星放出に向けた準備を行う星出飛行士(左)と「きぼう」運用管制室(右)の様子。クリックで拡大(提供:JAXA)

今回の実験で国際宇宙ステーション(ISS)から放出されたのは、JAXANASAの公募で選ばれた、1辺10cmの超小型衛星()5機だ。7月28日に輸送機「こうのとり」3号機でISSに届けられた。

ISSに滞在中の星出彰彦宇宙飛行士と筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制室により準備・放出オペレーションが行われ、4日午後11時37分に2機が、5日午前0時44分に3機がそれぞれ放出された。放出は無事成功し、今後各衛星は地球周回軌道を飛行しながらそれぞれのミッションを行う。

ISSからの衛星の直接放出は、ロケットによる軌道投入に比べて打ち上げ時の負荷が少ない(ISSまでの輸送時には梱包で保護できる)、放出直前でも衛星の状態を確認できる、多くの衛星を軌道に送り込める、といったメリットがあり、今後の活用が期待される。

注:「CubeSat規格衛星」 大学や企業など民間機関が製作する小型衛星の規格で、縦10cm×横10cm×高さ10/20/30cmとなっている。今回放出された5機のうち、4機が高さ10cm、1機が20cm。


油井さん、2015年に初ミッションでISS長期滞在へ

油井宇宙飛行士

2015年のISS長期滞在が決定した油井宇宙飛行士(左)とJAXAの立川理事長。2011年7月にISS宇宙飛行士認定証を授与された際に撮影。クリックで拡大(提供:JAXA)

JAXA宇宙飛行士の油井亀美也(ゆいきみや)さんが、2015年のISS長期滞在クルーとして選ばれた。自身初のミッションとなる。

長野県出身の油井さんは航空自衛隊に勤務した後、2010年2月に宇宙飛行士候補者として選抜され、2011年7月にはISS搭乗宇宙飛行士として認定された。2015年6月ごろソユーズでISSに向かい、約半年間の滞在でISSの運用や科学実験に携わる予定だ。

今回の決定について油井さんは、「先賢とする日本宇宙飛行士の活躍に続き、長期滞在における活動を通じて、次世代を担う若者を触発するとともに、社会に役立つ成果を生み出してまいりたいと考えております」(抜粋)とコメントしている。

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉