月探査機「グレイル」が運用終了
【2012年12月18日 NASA (1)/(2)】
月の重力場の測定を行ったNASAの探査機「グレイル」が日本時間18日午前7時30分ごろ、予定どおり月の北極付近に落下し、運用を終了した。
2011年9月から月周回軌道での観測を行っていたNASAの探査機「グレイル」(GRAIL)が、日本時間18日午前7時30分ごろ、月の北極域にあるゴールドシュミット・クレーター付近の山の南麓に制御落下し、役目を終えた。
グレイルは2機編成で、「エブ」と「フロー」と愛称が付けられている。お互いの距離を一定に保って共に月の上空を飛行し、その距離が重力によってわずかに変化するようすをとらえて重力場を測定するというのがミッションの主な目的だ。8月からの延長ミッションでは平均飛行高度を55kmから23kmに下げ、クレーターや山脈などの地形が生む細かな重力場の観測を行っていた。
グレイルの落下地点は、今年7月に61歳で亡くなった米宇宙飛行士サリー・ライドさんにちなんで「サリー・K・ライド衝突地」(Sally K. Ride Impact Site)と名付けられた。宇宙教育活動に意欲的だったことで知られるライドさんは、「グレイル」ミッションで小中学生が観測地点を選んでリクエストする「MoonKamプログラム」にも携わっていた。