新発見の系外惑星は月と同等サイズ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2013年2月25日 NASA

NASAの衛星「ケプラー」が、太陽系の惑星よりも小さい系外惑星を発見した。最小のものは地球の3分の1ほど、月より少し大きい程度にしかすぎないという。


ケプラー37の惑星と太陽系惑星の大きさ比較

ケプラー37の惑星と太陽系惑星の大きさ比較。クリックで拡大(提供:NASA/Ames/JPL-Caltech)

ケプラー37bの想像図

最小の惑星ケプラー37bの想像図。クリックで拡大(提供:NASA/Ames/JPL-Caltech)

観測史上もっとも小さい惑星たちが、こと座の方向210光年彼方にある恒星「ケプラー37」で見つかった。その中でも最小のケプラー37bは、地球の3分の1程度の大きさ。太陽系で最小の水星よりも小さく、月より少し大きい程度にしかすぎない。

主星のケプラー37は太陽と同じ分類の星で、太陽よりもやや小さく温度が低い。そこに見つかった3つの惑星はどれも、太陽から水星までの距離よりも主星に近いところにあり、生命に適した表面温度とは思えない。

公転周期13日のケプラー37bは岩石でできた地球型惑星ではあるが、表面温度は摂氏約400度以上で亜鉛が溶けてしまうほど高温だ。また、大気も存在しない。少なくとも私たちが知っているような生命は存在できないと考えられる。その外側、公転周期21日のケプラー37cは地球の4分の3程度の大きさで金星より少し小さい。40日周期のケプラー37dは地球の2倍の大きさだ。

「私たちは太陽系のどの惑星よりも小さい系外惑星を発見しました。この発見は、今まで巨大惑星が多く見つかってきた主星のすぐそばの領域にも、小さな惑星が存在しうることを示しています」(米ソノマ海岸環境研究所のThomas Barclayさん)。

「ケプラー」のようなトランジット法(惑星が恒星の手前を横切る時のわずかな減光からその存在を検出する)による惑星探査では、惑星の大きさを知るために、主星の大きさも測定する必要がある。主星の減光加減から惑星の相対的な大きさを推定するためだ。

ケプラー37の大きさ測定には、星内部の対流運動によって発生する音波の伝わり方から内部構造を調べる方法が使われた。地震学で地震波を使って地球の内部を調べるのに似ており、天文学では「星震学」と呼ばれている。この方法は、従来は太陽の2倍以上の大きさの星に適していたが、ケプラーの高精度装置により、今回のような小さい星でも使えるようになったという。

ケプラー37bほど小さいと、惑星ではなく準惑星では? という疑問も生じるが、「ケプラー」チームの推定質量からすると、2006年に国際天文学連合で決定された太陽系における惑星の定義にもしっかり合致するとのことだ。