「ケプラー」の観測で461個が新たな系外惑星候補に
【2013年1月16日 NASA/CfA】
NASAの探査衛星「ケプラー」の観測による最新の系外惑星候補リストが発表され、461個が新たに加わった。地球サイズの惑星が多数存在することが明らかになってきている。
NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」の観測から、新たな惑星候補天体が461個見つかった。そのうち4つは直径が地球の2倍未満で、なおかつ中心の恒星からの距離が液体の水の存在にちょうどよい範囲に位置する。
2009年5月〜2011年3月の観測に基づいた今回のリストには、2036個の恒星の周囲にある2740個の惑星候補天体が含まれる。2012年2月発表の前回リストと比べると、地球サイズ、または少し大きいスーパーアースサイズの天体の増加がとりわけ目立つ(画像)。また、複数の惑星がある惑星系も365個から467個に増えた。ケプラーがこれまで見つけた惑星候補の43%について、同じ惑星系に他の仲間がいるということになる。
発表されたリストはNASA Exoplanet Archiveに掲載されている。
ケプラーは、惑星が公転運動で中心星の手前を通過することによって起こる減光を検出する「トランジット法」で系外惑星を見つけ出す。少なくとも3度の減光(公転3回分)が観測されたものから外部要因と思われるものを取り除いて「惑星候補」を絞り込み、さらに追観測と解析を行って、晴れて系外惑星として確定される。前回リストでは確定された惑星は33個だったが、今回は105個にまで増えている。
「2009年のケプラー打ち上げから3年半以上経ったことで、公転周期の長い小型の惑星の減光観測も十分積み重ねられるようになってきました。真に地球そっくりの天体が見つかるのは時間の問題です」(「ケプラー」研究員のSteve Howellさん)。
ハーバード・スミソニアン天体物理センターのFrancois Fressinさんらがこのリストを解析したところ、恒星の17%が、太陽系の水星より軌道の小さい地球サイズの惑星を持つことがわかった。この割合を当てはめると、天の川銀河には170億個以上の地球サイズの惑星があるということになる。さらに地球の軌道ぐらい離れているものや大型のものも含めると、恒星の70%にも及ぶ。ケプラー以外の観測も併せると、太陽と同タイプの恒星のほとんどに惑星が存在するという。
また、巨大ガス惑星を除き、恒星のタイプによる惑星のタイプの数に偏りが見られないことも明らかになった。太陽タイプの恒星の方が地球サイズの惑星が多い、海王星サイズのものが赤色矮星に少ない、といったばらつきはないようだ。
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