天の川銀河で初めて見つかった極超新星の痕跡
【2013年2月25日 JAXA】
通常の超新星爆発の100倍も高エネルギーの「極超新星爆発」。これまで天の川銀河の中では見つかっていなかったその痕跡が、国際宇宙ステーションのX線監視装置MAXIによって初めて発見された。
通常の超新星爆発の100倍ものエネルギーを持つ「極超新星爆発」は、これまでに私たちの天の川銀河以外の銀河で8つ程度(日本のアマチュア天文家による発見も含む)、爆発の痕跡は2つ程度観測されている。
こうした爆発により作られる高温ガスのバブル(泡)は天の川銀河内でも存在するだろうと考えられてきたが、距離が近く見かけのサイズが大きすぎるため、これまで観測できなかった。
国際宇宙ステーション(ISS)のX線監視装置「MAXI」による全天観測で、はくちょう座方向にある高温ガスの巨大な構造を詳しく調べたところ、およそ200〜300万年前に太陽数十個分もの星が極超新星爆発を起こして作られたものということが示された。高温ガスの温度は約300万度にも達する。
天の川銀河内では、通常の超新星爆発は50年に1度、極超新星爆発は10〜100万年に1度しか起こらないと推測されており、今回の結果は、ひじょうに珍しい現象の痕跡を世界で初めて近傍でとらえたことになる。爆発の瞬間は、地球から見ると満月程度に輝いたと推測されている。