火星隕石に生命活動の痕跡に似た構造

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【2014年3月3日 NASA

日本の調査隊が南極で回収した火星隕石に、地球で見られる生命活動の痕跡に類似した構造が見つかった。


やまと隕石のチューブ構造

やまと隕石に見られるカーブしたチューブ構造。クリックで拡大(提供:NASA。以下同)

やまと隕石に見つかった球体構造

隕石中の球体構造(赤)。球体のない部分(青)に比べて2倍の炭素を含む。クリックで拡大

日本の南極調査遠征隊が2000年に発見した火星隕石から、生命活動を示唆する可能性のある構造が見つかった。南極のやまと山脈で回収された13.7kgの隕石「やまと00593」は、13億年前に火星の溶岩流で形成、1200万年前に天体衝突により地表から宇宙空間に放出され、5万年前に南極大陸に落下したとみられている。

NASAジェット推進研究所のLauren Whiteさんらによる分析で、このやまと隕石から火星の生命活動を示唆する2つの構造が見つかった。1つは、隕石中に走る小さなチューブ構造。もう1つは、炭素に富んだナノメートル(10億分の1m)〜マイクロメートル(100万分の1m)サイズの球体だ。これらの構造と同様のものが、1911年にエジプトに落下したナクラ隕石にも見られる。

いずれも生命と無関係のメカニズムの産物という可能性も排除できないが、その組織(テクスチャ)や組成は、玄武岩質ガラスに見られるバクテリア作用など地球で見られる生命活動のサンプルと類似しているという。