太陽系の果てに新たな小惑星
【2014年3月28日 カーネギー研究所】
太陽系のもっとも外側を巡る新天体2012 VP113が発見された。太陽系の果てにあるとされる彗星のふるさと「オールトの雲」までつながる天体群の一部かもしれないという。
南米チリにある米国立光学天文台の口径4m望遠鏡を用いた観測で、太陽の周りを公転するものとしてはもっとも遠い軌道を持つ天体が発見された。
海王星の外側に小天体が集う「エッジワース・カイパーベルト」より遠くには、近日点距離76auの軌道を持つセドナ(2003 VB12)が2004年に見つかっている(1auは約1億5000万km)。今回発見された2012 VP113は近日点距離が80auで、セドナと同様にもっとも遠い時には太陽から数百au以上の距離まで到達するような軌道を巡っている。離心率の大きな楕円軌道において、たまたま太陽系の内側に近づく時期なので発見することができた。
発見者のChadwick Trujilloさん(ジェミニ天文台)らは、セドナや2012 VP113のような軌道を持つ1000km以上の天体が900個は存在するとみている。こうした天体群は、エッジワース−カイパーベルトからオールト雲(彗星のふるさととされる太陽系の果ての仮想領域)までつながる「内オールト雲」を成しているという説もあり、今後この領域でのさらなる新発見が待たれる。