大型連休は、月明かりのない夜空と旬の惑星を楽しむ
【2014年4月25日 アストロアーツ】
いよいよ始まる大型連休。今年は4月29日が新月なので、自宅や旅行先で暗い夜空を楽しむことができます。期間中に手軽に見られる星や天文現象などの見どころを紹介します。
■ 注目の現象
連休最初の見どころは、4月26日明け方の月と金星の接近です。お休み早々早起きなんて…と思うかもしれませんが、その価値はありです。細い月の繊細な姿とマイナス4等の明けの明星の圧倒的な輝きを堪能してください。
4月29日に新月を迎えた月は、5月1日に日没直後の低い西の空でおうし座のアルデバランに近づき、4日には木星と並びます。今年の連休は月が早い時間に沈むので、月明かりの影響を受けない暗い星空を楽しむことができます。反対に、月が見たい場合には宵のうちに見ておきましょう。
5月6日から7日にかけての夜は、みずがめ座η(エータ)流星群の活動がピーク。昨年2013年には例年になく多くの流れ星が現れ、今年も動向が注目されます。といっても、流れ星が飛ぶ中心方向となるみずがめ座が昇ってくるのは夜がすっかり更けてから。朝3時ごろに昇ってくる明けの明星を待ちながら初夏の星空を気長に見わたしていると、流れ星に会えるかもしれません。
■ 春の星々と見ごろの惑星
日が沈んだ後の西の空には、見おさめとなる冬の星座が勢ぞろい。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスで作る「冬の大三角」に木星を加えた今年限定の大十字を見送りましょう。
これらの星々が西の空に消え、次の冬にまた現れるころ、木星はふたご座からかに座に移っています。
南東の空には、4月に地球と最接近した火星とこれから見ごろを迎える土星がまず目立ちます。北斗七星の柄の先からうしかい座のアルクトゥールス、おとめ座のスピカまでたどった「春の大曲線」が、この2つの惑星の間を通り抜けています。
わかりやすい春の星々の並びを肉眼で見るのも、また小型望遠鏡で火星や土星の姿を楽しむのもおすすめです。
少し遅い時間帯になると、夏の星々も現れます。赤いアンタレスを中心とするS字形のカーブが特徴的なさそり座、天の川を挟んで輝く1等星のベガ、アルタイルとデネブでできる「夏の大三角」を眺めながら、ひと足お先に夏気分を楽しみましょう。
■ 星を見に出かけよう
気軽に星を見るといっても、どこでどんな風に見ればいいのかわからない。そんなときは、お近くのプラネタリウムや科学館での観望会などに出かけてみてはいかがでしょう。安全で気軽に、天体望遠鏡でお目当ての天体を見たり解説を聞いたりできます。ウェブサイト「パオナビ」では、天文施設や開催イベントの情報を探せます。
空が暗く星がきれいに見えるロケーションでは、天体望遠鏡などが用意されたホテルやペンションもあるので、そういった宿泊施設もおすすめです。
星空観望のおともに、月刊「星ナビ」(5月号発売中。5月2日に6月号発売)があればさらに広く深く楽しめます。またモバイルアプリも便利です。iPhone用「iステラ」、iPad用「iステラ HD」、Android用「スマートステラ」、Windows 8用「M+Stellar」では、見たい天体を実際の空で探したり、旅行先の場所や日時に設定してどんな星が見えるかを確かめたりできます。
今年限りの思い出の星空を、ぜひこのゴールデンウィークに見つけてみてください。