7光年彼方に氷点下の褐色矮星
【2014年5月2日 NASA】
これまで知られている中でもっとも軽くもっとも低温の褐色矮星が、7.2光年彼方に発見された。太陽系から4番目に近い星系となる。
褐色矮星とは、材料となるガスが少ないために中心部での核融合反応が始まらず恒星になりそこねた天体だ。可視光線では見えないこともあるが、赤外線による観測なら褐色矮星が発する熱をとらえることができる。
米・ペンシルバニア州立大学のKevin Luhmanさんらは、NASAの赤外線天文衛星「WISE」が複数回行ったサーベイ観測のデータから移動天体を見つけ(画像1枚目)、別の赤外線衛星「スピッツァー」や南米チリのジェミニ南望遠鏡を用いて天体の距離や温度などを確認した。
この褐色矮星WISE J085510.83-071442.5は太陽系から7.2光年彼方のうみへび座の方向にあり、これは太陽系から4番目に近い(リギルケンタウルス系、バーナード星、同グループが2013年に発見した褐色矮星の連星に次ぐ)星系だ。
天体の重さは木星の3〜10倍、温度は摂氏マイナス48度〜マイナス13度である。これほど軽いと、惑星系から追い出された巨大ガス惑星という可能性もあるが、研究チームでは、よりありふれた褐色矮星である可能性が高いとしている。