155光年彼方に公転周期8万年の惑星
【2014年5月15日 ジェミニ天文台】
155光年彼方に、8万年という長い公転周期を持つ巨大ガス惑星が直接撮像で見つかった。中心星から離れているため観測がしやすく、今後の系外惑星研究のよいサンプルになりそうだ。
カナダ・モントリオール大学の研究チームが、155光年彼方のうお座GU星を8万年という長い周期でめぐる巨大ガス惑星を発見した。分光観測を手がかりとしてこの惑星の温度は摂氏800度、中心星の年齢を手がかりとして惑星の質量は木星のおよそ9〜13倍と推定されている。
中心星であるうお座GU星は太陽の3分の1の重さを持つ変光星で、生まれて1億年程度の若い星のグループ「かじき座AB運動星団」の仲間であることが判明したばかり。星が若いということは、もし惑星が存在すればまだあたたかく赤外線で観測しやすい。そのため直接撮像での惑星探しのターゲットとなっており、期待通りの発見となった。
また、太陽〜地球の2000倍という中心星からの記録的な距離も直接観測しやすい要因となった。
「この惑星は自然からの贈り物です。恒星と離れているのであらゆる機器で詳しく調査がしやすく、そこから巨大ガス惑星全般についての理解が進むでしょう」(発表者の1人Etienne Artigauさん)。