2014年夏は、星にはまる
【2014年7月31日 アストロアーツ】
夏の大三角に天の川、ペルセウス座流星群など、家族や友達と星空を見上げたい季節がやってきた。この夏「星にはまりたい」人のために、見どころの天文現象、夏を楽しむ納涼星グッズ、注目の宇宙イベントなどを一挙に紹介。
★ 主な天文現象
8月上旬は伝統的七夕に月の星めぐり
まず8月2日には、旧暦にもとづく伝統的七夕を迎える。梅雨まっただ中の7月7日には見られなかった織り姫星や彦星を、今度こそ見つけてみよう。各地で行われる七夕祭りには、この伝統的七夕の日に開催されるものもある。
2日と3日には伝統的七夕に合わせたライトダウンが呼びかけられている。できるだけ明かりを消したり、窓の外に漏れる光を減らしたりして、暗い夜空を見上げよう。
ちょうどこのころ、宵の南西の空には黄色っぽい土星、赤い火星、青白い1等星スピカがまるで信号のように並ぶ。接近してきた月が、2日にスピカ、3日に火星、4日に土星とつぎつぎに渡り歩くようすは見ものだ。
8月中旬は流星群に明け方の金星+木星
夏の夜空のハイライトは、なんといっても毎年恒例のペルセウス座流星群。流星群の活動ピークは8月13日午前9時(日本時間)と予測されているので、12日深夜から13日未明にかけてが見ごろだ。月が明るいが、それに負けない流れ星に期待して空を見上げよう。
8月中旬には明け方の空で金星と木星が接近していて、流れ星の一夜を締めくくるにふさわしい輝きを見せてくれそうだ。
注目の彗星
空の暗い場所に出かけたときなどに見てみたいのが、彗星だ。日にちをしぼるなら、新月の8月25日前後が狙い目となる。
7月2日に太陽に最接近したジャック彗星(C/2014 E2)は、夜半すぎの北東の空に現われて6等台で観測されている。8月の間は天の川に沿ってぎょしゃ座からカシオペヤ座付近を移動し、深夜から未明の空で見やすくなる。星団などといっしょに双眼鏡や小口径望遠鏡で眺めよう。
明け方の空で増光中のウカイムデン彗星(C/2013 V5)も注目だ。低空ではあるが、8月初めには10等級、9月初めに6等まで増光するようすを追いかけられる。9月末の太陽最接近に向け、オリオン座からいっかくじゅう座にかけて移動していく。
★ 星を楽しむお役立ちアイテム
何の知識もなくても、ただ眺めるだけで星の美しさはじゅうぶん堪能できる。それでも、どんな星が見えるかを予習したり、観望や撮影に便利なツールを準備すれば、楽しみがぐっとひろがる。
まず手に入れておきたいのが、月刊星ナビ8月号。注目の天文現象など詳しく紹介する特別付録「夏の天文現象ハンドブック」や星景写真入門特集など、この夏星にはまりたい人にうってつけの永久保存版だ。
美しい星空を撮影したい時に便利なのが天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」だ。カメラ機種や焦点距離を入力すると、星図上に撮影範囲が枠で表示される。天の川の見える風景や星座、流れ星など、さまざまな構図の検討に活用しよう。
気軽な星空観望に必携のツールが、スマートフォンの星座早見アプリ。iPhone用「iステラ」、iPad用「iステラ HD」、Android用「スマートステラ」、Windows 8用「M+ステラ」と各端末に対応したアプリがある。設定した日時や場所の星図だけでなく、実際に見える天体の方に端末を向けると対応する視野の星図を表示するので、天体の名前がその場でわかる。手軽なツールでありながら、彗星や惑星の動きなどもわかるので、半永久的にディープな楽しみ方もできる。
夜空をなんとなく見上げるのが好きなら、この夏はぜひ双眼鏡を手に入れてみてはいかがだろう。たいして星が見えないと思いこんでいた空をのぞくと、視界につぎつぎと飛びこんでくるかすかな星たち。そのまま星空の深みにはまってしまう、手軽で“危険な”ツールだ。アストロアーツオンラインショップなどでお気に入りの一機を見つけたら、メシエ天体ガイドなどを参考に、もう一歩向こうの宇宙へ踏み出そう。
小学生でも10分で作れる組み立て式の「はじめての望遠鏡 組立正立像望遠鏡」は、親子での工作におすすめ。しくみを理解しながら工作ができて、初心者にも扱いやすい正立像望遠鏡だ。月や惑星などの天体のほか、野鳥観察にも適している。
★ 星グッズで夏を乗り切る
アストロアーツオンラインショップでは、アストロアーツ製品のみならず、天体観望に便利なアウトドア用品からプレゼントにぴったりな星座グッズまで、さまざまな宇宙・天文グッズが揃っている。涼やかな星空のモチーフを取り入れて、暑い夏を乗り切ろう。
★ 宇宙な夏に、家族でお出かけ
家族で楽しめる宇宙関連イベントも目白押しだ。全国プラネタリウム&公開天文台情報サイト「パオナビ」では、恒例の夏まつりや観望会、プラネタリウム上映、観測施設の一般公開などのイベントを検索することができる。
その他にも、以下のような宇宙関連展示・イベントなどがある。「星ナビ」9月号(8月5日発売)で詳しく紹介しているので、参考にして足を運んでみよう。
- SPACE EXPO 宇宙博 2014
幕張メッセ(千葉県)
〜9月23日(火・祝) - ミッション[宇宙×芸術]−コスモロジーを超えて
東京都現代美術館
〜8月31日(日) - アニメ映画「宇宙兄弟#0」
8月9日(土)〜 - 宇宙ミュージアム「TeNQ」
東京ドームシティ
常設施設
★ 星の本を読んでみよう
思う存分遊んだ後に残るのは読書感想文の宿題。8月31日はすぐそこ。そんな時は、大好きな星の本について書いてみよう。星ナビ.com「こだわり天文書評」では、子供向けも含めたさまざまな天文関連書籍を紹介している。