自動化をより進めた最新バージョン

GUIの刷新と自由度のUP

外観上の違いは、淡い天体写真の階調を見やすくするために黒ベースのインターフェースに刷新されたことだ。

新規にGUI上に追加されたアイテムとしては「チャンネルパレット」がある。従来、一部を除き、ほとんどのフィルターは、RGBの各チャンネルをまとめて処理するように作られていた。それゆえ、「赤だけにネビュラスムースをかけたい」「緑チャンネルのみノイズリダクションをかけたい」といったような目的のためには、いくつものステップを踏む必要があった。まずRGBの各チャンネルをモノクロ3枚の画像に分解し、必要な処理をそれぞれの画像に施した上で、再度RGBに合成し直すという段取りになる。合成後に失敗だと思ったら最初からやり直しだ。

チャンネルパレットを使えば、ターゲットとするカラーチャンネルをワンタッチで切り替えられる。表示するだけでなく、さまざまなフィルター類もRGB画像のまま特定の色のチャンネルのみに処理をかけられるようになった。「表示はRGBのまま、Rチャンネルだけフィルターをかける」といったこともできるため、以前のように「RGB合成し直さないと結果がわからない」ということはなくなった。

「ステライメージ7」の外観と「チャンネルパレット」

「ステライメージ7」の外観と「チャンネルパレット」 天体写真は基本的に背景が黒なので、従来の明るめ基調のインターフェースより輝度変化が少なく、淡い対象も見やすい。こだわるなら壁紙も黒にしたり、モニターも黒ベゼルのものを選ぶなど、全体を黒に統一していくとよいだろう。

また、「チャンネルパレット」のボタンには、レベル調整設定をカスタマイズして登録できるようになった。今まで、レベル調整ダイアログを表示させてから行っていた調整がボタンひとつで行える。

目立たないところだが、ダイアログを呼び出すタイプの処理も自由度が向上している。通常、ダイアログを開いているときは画像ウィンドウを拡大縮小したり移動させたりすることはできないが、「7」ではダイアログを開いたまま、画像データを操作できるモードレスダイアログというタイプに変更された。「ダイアログをいったん閉じて、目的の拡大率にしてから再度ダイアログを呼び出す」といった面倒な手間はなくなった。

処理に必要な工数が減るということは、試行錯誤をしやすいということである。どんな上級者でもベストなパラメータを一瞬で決められるわけではない。すばらしい作品ができあがるまでには数多くのトライアル&エラーの繰り返しが行われている。試行錯誤がしやすい環境は、その分だけハイレベルな画像処理ができることと同義なのだ。