ポン・ブルックス彗星(12P)

このエントリーをはてなブックマークに追加

☄ 彗星拡大撮影の計画を立てる

望遠レンズや望遠鏡で彗星をクローズアップ

望遠鏡
20218年11月のスイフト・ゲーレルス彗星と銀河
スイフト・ゲーレルス彗星(64P)とアンドロメダ座大銀河M31。2018年11月(180mm F2.8、ISO 1600、90秒×23枚/撮影:谷川正夫)。
2021年12月のレナード彗星(C/2021 A1)と球状星団
レナード彗星(C/2021 A1)と球状星団M3。2021年12月(280mm F3.9、ISO 3200、60秒×63枚/撮影:谷川正夫)。

彗星をアップでダイナミックに撮るには、望遠レンズや望遠鏡を使用し、星を自動追尾する赤道儀に搭載して撮影を行います。尾の詳細な構造が写って驚くこともあります。

拡大撮影にはF値の小さな明るい光学系ほど向いています。カメラレンズの場合も開放F値が小さいほど有利です。

  • 露出時間を長くすると彗星の頭部(核)が線状になったり尾の鮮明さが損なわれたりするので、なるべく明るい光学系を使用し、高感度設定で、時間を短くして撮影します。
  • 淡い尾を精細に、コントラスト良く、なめらかに描出するには、多数枚をコンポジットする必要があります。「ステライメージ」で、彗星の移動に合わせて合成する「メトカーフコンポジット」を行うのが有効です。

ステラナビゲータで彗星の拡大撮影の計画

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ12」でポン・ブルックス彗星の尾の見え方や、星雲・星団との接近などを調べ、撮影計画を立ててみましょう。

テイル編集ダイアログ
画像は紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の例。
  • リボンバーの「彗星・小惑星」タブの「彗星」の[等級]をオンにすると星図に予想等級が表示されます。
    「ツール」メニューの「データ更新」で最新の情報を得られます。
  • 彗星の頭部を右クリックして開くメニューから「テイル編集」ダイアログを開くと、尾の見え方や長さを調整できます。撮影画像を参考にしてシミュレーションしてみましょう。
  • リボンバーの「視野・写野」タブで[撮像エリア]をクリックすると星図に写野が表示されます。
    [詳細]をクリックして「写野」ダイアログを開くと、「お気に入り」として複数の設定の写野を登録できます。様々な焦点距離での構図検討に便利です。
ステラナビゲータ

クローズアップ撮影のシャッターチャンス

  • 3月10日ごろ:アンドロメダ座大銀河(M31)と並びます。クローズアップだけでなく彗星星景撮影も楽しめそうです。
  • 3月22日ごろ:さんかく座銀河(M33)と接近します。200-300mmの望遠レンズに収まります。
  • 3月末~4月中旬:月明かりの影響がなく、尾や頭部のアップを狙う絶好機です。

「ステラナビゲータ12」の機能や仕様について、詳しくは製品ページをご覧ください。試用版もあります。

星ナビ2024年4月号

この特集コンテンツは月刊「星ナビ」2024年3・4月号の本誌および小冊子内容を再構成したものです。誌面ではウェブ特集の各コンテンツについてさらに詳しく解説しているほか、ポン・ブルックス彗星の特徴や科学的興味の紹介、他の星図なども掲載しています。5月号でも最新情報や4月の見どころなどを解説。