2010年
冬から春へと季節は切り替わる。冬を代表するオリオン座、おおいぬ座のシリウスなどは宵のうちから西にかたむいてしまう。天頂付近にはこいぬ座のプロキオン、ふたご座のカストルとポルックスに加え、かに座の中を移動中の火星が見られる。
火星は最接近から1か月以上たつが、今でも夜空での存在感はじゅうぶんだ。25日には月が並び、両者が双眼鏡の視野に収まる。これまで星空の中を東から西へと移動していたが、11日に留となり、太陽から逃げるように西へと動き出す。
東の空では土星が23日に衝となり、見ごろをむかえる。しし座のデネボラ、おとめ座のスピカ、うしかい座のアルクトゥールスが作る「春の大三角」にくっつくような位置だ。環(リング)は昨年に見かけ上消失する現象があったばかりで、まだまだ細いが、小口径の望遠鏡でも串刺しに似た形を確認できるかもしれない。
西の空では、これまで一番星だった木星が見えなくなり、代わって金星が登場する。まだまだ高度が低いので「宵の明星」と呼ばれる程の存在感はないが、日没直後に地平線付近を探せば見つかるはずだ。細い月が金星と接近する17日の夕方はとくに注目したいところだ。
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -0.9 | -1.7 | -1.4 |
視直径 | 4.9" | 5.0" | 5.4" |
星座 | みずがめ | みずがめ | うお |
現象 |
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金星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -3.9 | -3.9 | -3.9 |
視直径 | 10.0" | 10.2" | 10.4" |
星座 | うお | くじら | うお |
現象 |
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火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -0.5 | 0.0 |
視直径 | 11.7" | 9.8" |
星座 | かに | かに |
現象 |
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木星
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.0 | -2.0 |
視直径 | 32.9" | 33.3" |
星座 | みずがめ | みずがめ |
現象 |
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土星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.7 | 0.6 |
視直径 | 19.4" | 19.5" |
星座 | おとめ | おとめ |
現象 |
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.9 | 8.0 |
視直径 | 3.3" | 2.2" |
星座 | うお | やぎ |
現象 |
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