2010年 3月

冬から春へと季節は切り替わる。冬を代表するオリオン座、おおいぬ座のシリウスなどは宵のうちから西にかたむいてしまう。天頂付近にはこいぬ座のプロキオン、ふたご座のカストルとポルックスに加え、かに座の中を移動中の火星が見られる。

火星は最接近から1か月以上たつが、今でも夜空での存在感はじゅうぶんだ。25日には月が並び、両者が双眼鏡の視野に収まる。これまで星空の中を東から西へと移動していたが、11日に留となり、太陽から逃げるように西へと動き出す。

東の空では土星が23日に衝となり、見ごろをむかえる。しし座のデネボラ、おとめ座のスピカ、うしかい座のアルクトゥールスが作る「春の大三角」にくっつくような位置だ。環(リング)は昨年に見かけ上消失する現象があったばかりで、まだまだ細いが、小口径の望遠鏡でも串刺しに似た形を確認できるかもしれない。

西の空では、これまで一番星だった木星が見えなくなり、代わって金星が登場する。まだまだ高度が低いので「宵の明星」と呼ばれる程の存在感はないが、日没直後に地平線付近を探せば見つかるはずだ。細い月が金星と接近する17日の夕方はとくに注目したいところだ。

今月の星空3月

全天星図

図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

今月の惑星3月

水星

上旬 中旬 下旬
等級 -0.9 -1.7 -1.4
視直径 4.9" 5.0" 5.4"
星座 みずがめ みずがめ うお
現象
  • 8日 木星と最接近
  • 14日 外合
  • 16日 天王星と最接近

金星

上旬 中旬 下旬
等級 -3.9 -3.9 -3.9
視直径 10.0" 10.2" 10.4"
星座 うお くじら うお
現象

火星

上旬 下旬
等級 -0.5 0.0
視直径 11.7" 9.8"
星座 かに かに
現象

木星

上旬 下旬
等級 -2.0 -2.0
視直径 32.9" 33.3"
星座 みずがめ みずがめ
現象
  • 1日 合
  • 8日 水星と最接近

土星

上旬 下旬
等級 0.7 0.6
視直径 19.4" 19.5"
星座 おとめ おとめ
現象

天王星・海王星

天王星(中旬) 海王星(中旬)
等級 5.9 8.0
視直径 3.3" 2.2"
星座 うお やぎ
現象
  • 5日 天王星が金星と最接近
  • 16日 天王星が水星と最接近
  • 17日 天王星が合