2021年9月の星空
宵の南天に土星と木星が並んで見えている。8月に衝となったばかりで、引き続き観察好期だ。土星や木星は明るいので、空の暗いところへ出かけなくても見やすい。天体望遠鏡で環や縞模様を眺めよう。両惑星が位置するやぎ座の、三角形の星の並びもたどってみてほしい。
土星や木星と同じく人気の天体といえば月。とくに秋は空気が澄んでいるので、月の光がいっそう冴えているように感じられる。今年の中秋の名月の日付は9月21日で、8年ぶりに満月と同日になる。十五夜のお月見をしながら、世の安寧を願いたい。
丸く明るい名月だけでなく、欠けた月にも魅力はある。とくに望遠鏡で見る、欠け際のクレーターの立体感は格別だ。また、細い月と金星が並ぶ美しい夕景を肉眼で眺めるのも楽しい。街中、郊外、暗い場所、どんなところでも天体観察はできる。何よりも安全第一で。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
5日 | ごろ | 金星とスピカが大接近 |
---|---|---|
9日 | (木) | パラスがうお座で衝 |
10日 | (金) | 細い月と金星が接近 |
14日 | (火) | 水星が東方最大離角 |
15日 | (水) | 海王星がみずがめ座で衝 |
18日 | (土) | 月と木星が接近 |
19日 | (日) | みずがめ座τ2星の食 |
21日 | ごろ | 水星とスピカが大接近 |
21日 | (火) | 中秋の名月 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
惑星
水星
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | 0.0 | 0.2 | 0.6 |
視直径 | 6.2″ | 7.1″ | 8.5″ |
星座 | おとめ | おとめ | おとめ |
現象
- 9日 細い月と並ぶ
- 14日 東方最大離角
- 下旬 スピカと大接近
- 22日 スピカと最接近
- 27日 留
金星(▶ 特集ページ)
上旬 | 中旬 | 下旬 | |
等級 | -4.1 | -4.1 | -4.2 |
視直径 | 15.5″ | 16.6″ | 17.9″ |
星座 | おとめ | おとめ | てんびん |
火星
上旬 | 下旬 | |
等級 | 1.8 | 1.7 |
視直径 | 3.6″ | 3.6″ |
星座 | しし | おとめ |
現象
- 20日 地球から最遠
木星(▶ 特集ページ)
上旬 | 下旬 | |
等級 | -2.8 | -2.7 |
視直径 | 48.7″ | 47.0″ |
星座 | やぎ | やぎ |
現象
土星(▶ 特集ページ)
上旬 | 下旬 | |
等級 | 0.3 | 0.4 |
視直径 | 18.3″ | 17.8″ |
星座 | やぎ | やぎ |
現象
- 17日 月と並ぶ
天王星・海王星
天王星(中旬) | 海王星(中旬) | |
等級 | 5.7 | 7.8 |
視直径 | 3.7″ | 2.4″ |
星座 | おひつじ | みずがめ |