2022年11月の星空
8日は今年一番の注目天文現象、皆既月食が起こる。月食全体は18時過ぎから22時前までの4時間弱、皆既食は20時前後の85分間と、長時間にわたりたっぷり楽しめる。宵の見やすい時間帯で高さもちょうど良いという、絶好条件がそろった月食を、存分に味わおう。また、同時に起こる天王星食も必見。月食中の惑星食は次回84年後という超レア現象だ。事前の準備を整えて「皆既月食×天王星食」を見たり撮ったりしよう。
食以外の今月の見どころは、明るい惑星たちだ。とくに、来月初めに地球と最接近する火星の存在感が日増しに大きくなってきている。宵のころにはやや低めだが、近くにあるおうし座のアルデバラン、オリオン座のベテルギウスと赤さや明るさを比べたり、表面の模様をじっくり観察したりしてみよう。木星は20時ごろに南中し、とても見やすい。土星は日付が変わるころに沈むので、早めの時間帯に見ておこう。
晩秋の夜は空気がずいぶん冷たい。冬支度を進めながら、惑星観察や星座巡り、天体撮影などをお楽しみください。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
7日 | ごろ | ケレスとしし座のトリオ銀河が大接近 |
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8日 | (火) | 皆既月食 |
8日 | (火) | 天王星食 |
9日 | (水) | 天王星がおひつじ座で衝 |
11日 | (金) | 月と火星が大接近 |
13日 | (日) | おうし座北流星群が極大 |
18日 | (金) | しし座流星群が極大 |
29日 | (火) | 月と土星が接近 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:見えない
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
- 9日:外合
金星
- 上旬:見えない
- 中旬:見えない
- 下旬:見えない
火星(▶ 特集ページ)
- 上旬:宵~明け方 -1.3等
- 中旬:宵~明け方 -1.5等
- 下旬:宵~明け方 -1.7等
- 11日宵~12日明け方:月と大接近
- 21日ごろ:おうし座β星エルナト(1.7等)と接近
木星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~未明 -2.8等
- 中旬:夕方~未明 -2.7等
- 下旬:夕方~未明 -2.6等
- 4日宵~5日未明:月と接近
- 5日夕方~宵:月と並ぶ
- 24日:留
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~深夜 0.7等
- 中旬:夕方~宵 0.7等
- 下旬:夕方~宵 0.7等
- 17日:東矩(やぎ座)
- 29日夕方~宵:月と接近
天王星
- 上旬:宵~明け方 5.6等
- 中旬:夕方~未明 5.6等
- 下旬:夕方~未明 5.6等
海王星
- 上旬:夕方~未明 7.8等
- 中旬:夕方~未明 7.9等
- 下旬:夕方~深夜 7.9等
主な彗星、小惑星
ズィーティーエフ彗星(C/2020 V2)
- 下旬:夕方~明け方 10等
ズィーティーエフ彗星(C/2022 E3)
- 上旬:夕方~宵 10等
- 中旬:夕方~宵 10等
- 下旬:夕方/明け方 10等
ネオワイズ彗星(C/2022 P1)
- 上旬:夕方 10等
準惑星ケレス
- 上旬:未明~明け方 9等
- 中旬:未明~明け方 9等
- 下旬:未明~明け方 9等
- 2日ごろ:しし座θ星シェルタン(3.3等)と大接近
- 7日ごろ:しし座のトリオ銀河(M65・M66・NGC 3628)と大接近
- 25日ごろ:しし座β星デネボラ(2.1等)と接近
小惑星パラス
- 上旬:未明~明け方 8等
- 中旬:未明~明け方 8等
- 下旬:未明~明け方 8等
- 4日ごろ:おおいぬ座ο2星(3.0等)と大接近
- 15日ごろ:おおいぬ座δ星ウェズン(1.8等)と大接近
- 28日ごろ:おおいぬ座η星アルドラ(2.5等)と接近
小惑星ジュノー
- 上旬:夕方~深夜 9等
- 中旬:夕方~深夜 9等
小惑星ベスタ
- 上旬:夕方~深夜 8等
- 中旬:夕方~宵 8等
- 下旬:夕方~宵 8等
- 25日ごろ:みずがめ座の惑星状星雲NGC 7293らせん状星雲と接近