民間企業の新計画「HAKUTO-R」始動 2020年以降2度の月探査

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日本初の民間月面探査を目指す宇宙企業ispaceが、米・スペースXとの2回分の打ち上げ契約を締結した。「HAKUTO-R」と名付けられた新プロジェクトでは、2020年に月周回ミッション、2021年には月面ローバー走行ミッションの実現を目指す。

【2018年9月28日 ispace

日本初の民間月面探査を目指す宇宙スタートアップ企業ispaceが、9月26日に米・スペースXとの打ち上げ契約締結を発表した。

ispaceは、民間チームによる月面無人探査コンテスト「Google Lunar XPRIZE」に「チームHAKUTO」として参加していたが、ローバーを月面に送り込む打ち上げロケットの調整がつかずレースを断念。コンテスト自体も勝者なしのまま今年3月に終了している。

その後も引き続き月面探査計画を模索してきたispaceが今回発表した新プロジェクト「HAKUTO-R」の内容は、スペースXの再使用型ロケット「Falcon 9」にランダー(月着陸船)を搭載し2度の打ち上げを行うというものだ。2020年半ばに予定される1回目のミッションでは月周回軌道から地球へのデータ送信を実施、2021年半ばの2回目では、ランダーを月面に軟着陸させて探査ローバーの月面走行を実施する。

プロジェクトは現時点でランダーの詳細設計の段階に入っており、2019年以降はランダーの製造とローバーの開発を並行して進める予定だという。

民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」の紹介動画(提供:株式会社 ispace)